「奨学金」と「教育ローン」は何が違うのか?福井のFPが解説します

 2024年2月、大学受験シーズンに突入します。近年は推薦での進学が増加していますが、これからが入試本番という学生も多いと思います。落ち着いて実力を発揮していただきたいと思います。

 さて、大学に進学するといろいろと費用が必要となります。「授業料」「生活費」などなど。子どもが生まれてから教育費を積み立てているご家庭、そこまで準備できていないご家庭など、さまざまあると思います。

 大学の費用が準備できていないご家庭は「借りる」という選択肢があります。

借りるのは、「奨学金」と「教育ローン」がありますが、その違いについて解説していきたいと思います。

ここでいう奨学金は、日本学生支援機構の奨学金を指します。

奨学金と教育ローンの違いはどこ?

進学費用、授業料を準備するという意味では同じように感じますが、奨学金と教育ローンの違いはどういうところにあるのでしょうか?じつは決定的に違います、全くの別物です。項目ごとに見ていきましょう。

誰が借りるのか?

奨学金、教育ローンはどちらも「借りる」のですが、誰が借りるのかが違います。

奨学金・・・学生本人
教育ローン・・・親(保護者)

借主は返済義務がある人です。

申し込みはどこで?

奨学金・・・学校を通じて申請する(高校3年生の春頃)
教育ローン・・・金融機関で直接

日本政策金融公庫で手続きするのは、国の教育ローンです。

いつ借りる?

奨学金・・・在学中に予約採用、進学先で在学採用
      毎月振り込まれる(一回目は1年生の5月)

教育ローン・・・いつでも、必要な時に
        入学前でも利用可能

返済期間は?

奨学金・・・卒業後に始まる
教育ローン・・・借りた翌月、翌々月から返済開始
       (※条件により金利のみ負担する期間を設定できる)

一覧にまとめてみました

奨学金教育ローン
借主(申し込み人)学生本人親(保護者)
申し込み学校を通じて手続き金融機関で直接手続き
申し込み時期予約採用(高校在学中)
在学採用(大学進学後)
いつでも手続き可能
支給時期進学後から毎月振り込まれる手続き後速やかに入金される
返済開始卒業後から借り入れ後すぐに開始
利子有利子と無利子がある
(併用可能)
有利子
借り入れ形態毎月の振り込み一括借り入れ
カードローン方式
(※範囲内でカードで引き出す)

計画、手続きはお早めに

子どもが高校生になったら、進学について会話をしておきたいと思います。目指す大学はあるのか?または専門学校に進みたいのか?

就職先まで検討できるといいですね、そのための進学先になってくると思いますから。

そして、その進学先は地元なのか、転居を伴う地域になるのか、この辺までは想像しておきたいです。

国公立と私立でも授業料が異なりますし、学部でも異なります。おおよその見込みを検討しておきたいです。

奨学金は高校3年生に手続きが始まりますし、借りる額も考えておく必要があります。ここで注意をしておきたいのは、「借り過ぎ注意」ということです。ギリギリの金額を申請するのは心配かもしれませんが、多めに借りておこうというのも心配です。卒業してから本人が返還(日本学生支援機構は返済のことを返還といいます)していくので、注意してください。

教育ローンもいつまでに資金を準備するのかリサーチしておいてください。推薦などで早い時期に進学先が決まると、初回支払いのタイミングも早いです。金融機関に相談して必要な金額を準備しておきましょう。

場合によっては、進学してからの費用は奨学金で準備して、入学までに必要な資金は教育ローンで準備する必要があるかもしれません。

ご家庭の状況に応じてスムーズな手続きで準備しましょう。

まとめ

奨学金と教育ローンについて解説しました。いかがでしたでしょうか?

なんとなく知っていたという人も多いでしょうか。

大学の費用を準備できていないご家庭で、奨学金を借りることになったとしても、それで終わりではありません。奨学金はストレートで卒業できることが最低条件です。授業に出席して、しっかり単位を取得するよう促してください。そうjyないと、奨学金が打ち切りになります。

奨学金と教育ローンをうまく活用して、こどもの夢の後押しをしてください。

それまでに準備済みというのが理想なのは言うまでもありませんが。