WPP理論とは?安心できる老後を考える

人生100年と言われ始めて、どれだけ経つでしょうか?

長生きの日本において、WPP理論は知っておいた方が良さそうです。今回は、WPP理論について解説していきます

WPP理論とは?

まずは、WPP理論のWPPの意味を解説していきます。英語の頭文字をとった言葉で、それぞれ意味があります。では、ひとつずつ解説していきます。

「W」はなんですか?

Work Longer(長く働く)のWです。以前は60歳定年が一般的でしたが、今では65歳まで働くことがデフォルトになりつつあります。また、70歳まで雇用することが企業の努力義務となり、これからは70歳まで働くことがスタンダードになってくることが予想されます。

まだまだ元気だし、知識、技術を活用できるから仕事をするという前向きな気持ちで働くことは、とても良いことです。逆に、仕事をしないと生活ができないといった切実な理由から働くこともあると思います。

いずれにしても、体が元気なうちは無収入の期間を作りたくないので、出来るだけ働くということはFPの私から見ても大賛成です。

1つ目の「P]はなんですか?

Private Pensions(私的年金)のPです。個人型確定拠出年金(iDeCo)、企業型確定拠出年金、個人年金保険などで、自分で自分のために作る私的年金です。

iDeCoや企業型確定拠出年金は、運用成果によって年金資産額は異なります。個人年金保険は給付年数、年金額が保険契約により確定しています。

iDeCoを始めたい!メリット・デメリットと注意点をわかりやすく解説

2つ目の「P」はなんですか?

Public Pensions(公的年金)のPです。国民年金、厚生年金などです。

年金額は人それぞれで異なります。働いてきた間の収入でも差がありますし、立場(個人事業主、会社員、公務員など)でも年金額はことなります。

そして、年金受給開始時期は、これまでは60歳~70歳でしたが、2022年4月からは、60歳~75歳に変更となりました。

何を意味するかというと、年金受給開始を遅らせる(繰り下げる)と、年金額が増えるのです。65歳から年金を受給するのが基本で、1年繰り下げると年金額が8.4%増加します。2年繰り下げると16.8%増加します。

年金受給開始年齢年金額の増加率
66歳8.4%
67歳16.8%
68歳25.2%
69歳33.6%
70歳42%
71歳50.4%
72歳58.8%
73歳67.2%
74歳75.6%
75歳84%
繰り下げた場合の年金増加率表

10年繰り下げると、84%増加します。例えば、年金額が月15万円(年間180万円)のケースは、月27.6万円(年間331.2万円)と大きく増額されます。

増加率を確認するために1年で8.4%増加すると解説をしましたが、実際は1ヵ月繰り下げるごとに0.7%増加します。

年金受給開始を繰り下げるほど年金額は増額しますが、年金の空白期間が長くなりますので、セカンドライフのプランを立てることが大事です。

WPP理論の安心できる老後とは?

WPPの意味は理解していただいたと思います。これをどう組み合わせるのか?と考えていきます。

収入は?何歳まで働きますか?

まず、仕事(収入)はどうなるのか、考えます。いつまで仕事ができそうですか?

定年まで?再雇用ですか?定年後趣味を活かして開業ですか?

または、社長になりますか?

【退職後は社長になる】というライフプランは「夢ではなく現実」です

いつまで、収入源を確保できるでしょうか?自分のスキルも重要なポイントになります。

私的年金は?

iDeCo、企業型確定拠出年金、個人年金保険などの私的年金はありますか?あるとしたら、いくら準備できそうですか?

ご自身のキャリアに合わせてゴールベースプランニングの考え方で、積み上げていきましょう。

公的年金は?

60歳、65歳以降の働き方をどうするか?働かなくても良いのか?

私的年金はどのような状況なのか?頼りにして良いのか?

この2つによって、公的年金を繰り下げるのかどうかを考えることができます。

もしくは、公的年金で十分生活ができるということであれば、仕事をリタイアするという選択肢でOKですね。

公的年金は、いくらもらえるか、いつから受け取るかを考えていきましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

WPP理論で安心の老後を迎えましょう。

いろいろなパターンがあると思います。参考として、このようなプランはいかがでしょうか。

70歳までは元気に働いて、70歳~75歳までは私的年金でつなぐ、75歳から84%増額になった公的年金を受給する。

人生的にも充実できそうな気がします。※個人差あります

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