65歳を過ぎると、毎月のお金の使い方って、けっこう変わることが多いんです。でも、その変わり方は人それぞれで、減る人もいれば増える人も、あんまり変わらない人もいます。たとえば、住宅ローンが終わって支出がスッと減る方もいれば、健康のことや趣味にお金をかけて、逆に増える方もいますよね。
だからこそ、自分がどんなタイプか知ることが、老後の資金準備にすごく役立ちます。今日はそんな支出の増減パターンを3つに分けて紹介しながら、無理なく安心できるお金の計画のヒントをお伝えします。
1. 支出が減るパターン
住宅ローン完済で支出が大きく減る
65歳前後で住宅ローンを払い終える方は多いです。長い間、毎月数万円〜十数万円の支払いが続いていたものがなくなるのは、家計にとっては大きな変化です。これだけで毎月の固定費がグッと軽くなり、生活にゆとりが生まれます。生活がガラリと変化します。
子育て費用が終わることで生活費が減る
子どもが独立すると、授業料、仕送り、教育費や習いごと、塾代、部活動の費用などがなくなります。これも支出減少の大きなポイントです。実際に相談に来る方でも、子どもの進学や就職を機に生活費の見直しができるケースが多いですね。
子どもの就職で経済的に独立していくのが早いと、自分たちの老後資金準備もしっかりできます。準備ができること、支払いが減ることで、老後のゆとりに繋がります。
通勤や交際費が減るケースもある
65歳以降は退職して通勤がなくなる方が多くなります。電車やバス、ガソリン代などの交通費がゼロになるのは、大きな節約になります。また、会社関係の飲み会やランチなども減るため、交際費も減る傾向にあります。
お住まいの地域によっては、通勤で使用していた自家用車を手放すことができるかもしれません。そうすると、自動車関連費用が不要となります。税金、車検なども負担が大きいですからね。2台保有していたのが1台になることもありますね。
支出が減ることで見える「余裕」と「課題」
生活費が減ると、毎月の支出に余裕ができるので「これで老後も安心」と思いがちですが、実はここからが重要です。支出が減る分、これまで当たり前だった出費がなくなるため、生活リズムや楽しみ方が変わることもあります。
貯蓄や投資に回す良いチャンスですが、逆にお金の使いみちが減って「なんとなくお金を使わなくなった」という声も聞きます。生活の質を落とさず、健康や趣味にお金をかけることも視野に入れて計画的に過ごすのがおすすめです。
2. 支出が増えるパターン
医療・介護費の増加リスク
65歳を過ぎると、健康状態の変化で医療費や介護費が増えることがあります。通院の回数が増えたり、薬代がかさんだりするのは珍しくありません。
介護が必要になる場合は、サービス利用や介護用品の費用も加わり、急に支出が増えることも考えられます。こうした出費は予想しにくく、家計に大きな負担となるため、早めの備えが欠かせません。どのくらいの費用が必要なのか情報を集めておくこともしておきたいです。
趣味や旅行で積極的にお金を使う場合
退職後は時間に余裕ができるため、趣味や旅行にお金を使う方も多いです。これまで忙しくてできなかったことを楽しむため、出費が増えるのは自然なことです。
また、新しいことにチャレンジしたり、友人と出かける機会が増えたりすると、交際費もアップしがちです。生活の質を維持・向上させるための投資とも言えますが、無計画だと資金不足になるリスクもあります。
生活スタイルの変化による固定費の増加
例えば、暖房費や水道光熱費が年齢とともに増えるケースがあります。自宅で過ごす時間が長くなるため、電気代がかさんだり、健康維持のために食事に気を使い、食費が増えたりすることも考えられます。
また、バリアフリー住宅にリフォームしたり、介護施設への入居費用がかかることも考えられます。安全な住まい、便利な生活圏へと住み替えることもあります。
支出増加タイプの備え方
こうした支出の増加に備えるためには、毎月の貯蓄はもちろん、リスクに対応できる余裕資金を持つことが重要です。
医療費や介護費の補助制度を理解して活用することも忘れずに。趣味や旅行の出費も、楽しみながら無理なく続けられる範囲で計画的に。FPに相談すれば、生活の質を落とさずに安心できる資金計画が立てられますよ。ライフプランを一度でも作成しておくと、使っても大丈夫な金額の目安もつけられますので、安心できると思います。
3. 支出がほぼ変わらないタイプ
生活スタイルが大きく変わらない場合
65歳を過ぎても、現役時代とあまり変わらず生活を続ける方もいらっしゃいます。たとえば、退職後もパートやアルバイトを続けたり、趣味や習いごとを変えずに続けたりする場合です。このように生活リズムがあまり変わらないと、支出の大きな増減も起こりにくいのが特徴です。
固定費や趣味にかかるお金が継続
家賃や管理費、保険料、携帯電話料金などの固定費は大きく変わらないことが多いです。また、趣味や習いごと、交際費が継続すると、その分の支出もずっと続きます。例えば、ゴルフやカラオケ、語学や料理教室など、生活の楽しみとしてお金をかける方も多いですね。
支出が変わらないことのメリットと注意点
支出が安定しているので、家計の管理や資金計画は立てやすいメリットがあります。生活の質も維持しやすく、安心感につながりますね。
一方で、長期的に見ると、収入が減っていく可能性があるため、支出が一定のままだと資金繰りが厳しくなるリスクも。老後資金の取り崩し計画や資産運用などをバランスよく考えることが大切です。
継続的な貯蓄や運用が大切
この変化が少ないパターンでは、現役時代からの貯蓄や退職金、年金収入を組み合わせて、安定した資金計画を立てることが重要です。FPと一緒に生活費の見直しや将来の資産計画をチェックし、無理のない範囲で資産運用も検討しましょう。
4. 自分のタイプを見極めるポイント
まずは今の支出をチェックしてみましょう
65歳以降の支出を予測するには、まず「今の毎月の支出」をしっかり把握することが大切です。家計簿やレシートを見返して、どんな項目にどれくらい使っているかをざっくりでもいいので書き出してみましょう。
支出がどう変わりそうか想像してみる
次に、65歳を過ぎてどう変わるかを考えます。住宅ローンは残っている?子どもは独立している?通勤は続ける?健康状態は?趣味や交際のスタイルは変わりそう?こうしたことをイメージしながら、支出が減りそうなのか、増えそうなのか、あるいはほとんど変わらなそうなのかを分けてみましょう。
家族構成も重要なポイントです
ひとり暮らしか夫婦で暮らすか、または同居している家族がいるかどうかでも生活費は大きく変わります。介護の必要性も含めて、家族の状況を踏まえて考えることが大切です。
不安があればFPに相談してみてください
「自分のタイプがよくわからない」「将来の支出が漠然として不安」という方は、ぜひFPに相談してください。ライフプラン表を作りながら具体的な数字で見える化すれば、気持ちも落ち着きますし、準備のイメージもつきやすくなりますよ。
言葉になれば、向き合えます。数字になれば、比較できます。ライフプラン表を作成し、「見える化」する意味はココにあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか
老後の生活や家計を想像してみることで、あなたの老後のパターンが見えてきます。
家計簿をつけている人もいるともいますが、家計簿はあくまでも過去の話。今回は、未来の家計簿を想像してみるという話でした。未来家計簿ですね。
どのパターンだから正解ということではなく、このパターンになりそうだから、今から準備をしておこうということです。
ChatGPTに相談してみるという方法もあります。偶然ですが、最近そのようなテーマで出版しましたので参考にしてみてください。たまたまですよ(笑)
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Wrote this article この記事を書いた人
福田 智司
▶独立系ファイナンシャルプランナーとして、相談業務、セミナー講師などで活動しています。 ▶FBCラジオ ラジタス 第一木曜日 10:50~ 「FPふくちゃんのお金に関するエトセトラ」レギュラー出演中 福井で唯一?のラジオFPです ▶FPでIFAというポジションを活かした相談が得意 節約だけが家計見直しじゃない!を念頭に置いた相談を心掛けています。 ▶法人向けに企業型確定拠出年金の導入サポートを推進しております