福井のファイナンシャルプランナーが、ねんきん定期便のポイントを優しく解説

ねんきん定期便を見たことある?

「そういえば届いてたな」というレベルの郵便物のひとつでしょうか。「そんなもん届いてたっけ」というレベルでしょうか。とくに50歳未満向けのねんきん定期便は年金の見込み額が記載されていませんので、あまり興味を持って見る人も少ないかもしれません。その流れもあり、50歳以上の人も見ていない方は多いようです。

50歳以上の人は、年金受給額の見込みが記載されています。もし封を開けていないねんきん定期便が手元にありましたら、今から確認してみましょう。

今回は、50歳以上の「ねんきん定期便」のチェックすべきポイントを解説していきますので、一緒に見ていきましょう。

ねんきん定期便に何が書いてあるのか、ポイントを解説

ねんきん定期便をご覧になっている人はご存じだと思いますが、いろいろな数字が記載されています。ポイントになる数字がいくつかありますので、サンプルで見てきましょう

 

A…このまま60歳まで収めた場合の65歳から支給される老齢年金の見込み額(年額)※もらえる年金額

B…これまでに納めた年金保険料の累計額(立場が変わっている場合はそれぞれに記載)

C…このパートは、国民年金の納付状況(免除期間など)、標準報酬月額・標準賞与額などが記載

D…このままで65歳から支給される老齢基礎年金の見込み額

E…会社員・公務員・私学共済加入者など分けて表示される

ここまで、A~Eまでの項目を解説しました。このチェックポイントでご自身の年金額の見込み額が確認できたと思います。そして、最後にもう一度表面を見てください。

F…繰り下げ受給した場合の年金見込み額
1か月単位で繰り下げ受給(65歳から遅らせて受け取る)できます。1か月繰り下げると0.7%増額されるので、1年繰り下げると8.4%増額となります。例えば、年金が毎月15万円で年間180万円の場合、66歳から受給するように1年繰り下げ受給にすると8.4%増額で195万1200円となります。75歳まで繰り下げ受給できるので、84%の増額となります。年金180万円(年額)が約331万円となります。月額15万円の年金が月額27.6万円です。年齢により繰り下げが70歳までの人もいるので確認が必要です。

老後の生活に直結するのは、AとF。もらえる年金額と遅らせて増える年金額です

ねんきん定期便の情報の活用方法

年金の見込み額を確認したら、次は老後の生活をイメージしましょう。その年金で生活していけるかどうかです。ひとり分の年金では無理そうだけど夫婦二人の年金額だと大丈夫そうであれば、離婚しないよう夫婦円満を目指すことになります。

65歳から支給される年金額だと苦しそうだなと思えば、繰り下げ受給で増額すれば生活できそうかどうかを計算しましょう。繰り下げ受給の注意点は、年金額は増額するが年金をもらうまでの空白期間が長くなることです。空白期間を埋める貯蓄がある、空白期間を埋めるような仕事がある、という状況を作っておく必要があります。

ねんきん定期便を確認して「年金少ないな……」で終わらずに、幸せな老後になるよう準備をすることが大事です。貯蓄が足りるのか、資産運用が間に合うのか、仕事はあるのか、夫婦関係は大丈夫か、子どもに頼るのか。私は最近アメリカのドラマを観ていますが、よく出てくるセリフに「プランBは?」があります。いくつかプランを検討し、人生のプランBも準備しておきたいものです。

2022年からは、iDeCoの加入時期も65歳までに延長されます。50歳を過ぎてからでもiDeCoを活用した老後資金の上乗せも目指すことができます。

NISA・つみたてNISAを活用することもできます。iDeCoもそうですが限度額があるので、うまく併用してフル活用を目指したいです。

公的年金、個人年金保険、生命保険、iDeCo、NISA、つみたてNISA、退職金、貯蓄など、トータルでどのようになるのかを確認し、全体で最適化できると安心です。ねんきん定期便の情報を活用し、老後の全体最適化ができるよう検討しましょう。

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まとめ

たま~に届くねんきん定期便を確認するというお話でした。ねんきん定期便は、私もファイナンシャルプランナーでなかったら、あまり気にしてないかもしれません。それでも大切な内容が記載されており、老後生活の目安になります。そして、準備することができます。

退職時期、年金の受給時期、住宅ローンなど、終わるものと始まるもののタイミングを確認しておきましょう。教育ローンやほかのローンがある場合は併せて確認します。

60歳、65歳、70歳はどのような状況でしょうか。仕事をしていますか? ボランティア活動でしょうか? 別のブログでも書きましたが、老後とはキャリアプランそのものです。仕事をする、独立開業する、フリーランスで仕事をする、農業をする、可能性は広がっています。そしてそれはいつまでできるのかを検討、想像してみましょう。

貯蓄や金融資産、そしてキャリアプランを考えて、公的年金を遅らせて受け取るのか、早めに受け取るのかを検討します。

このように、ねんきん定期便を確認することで、具体的に老後をイメージできます。収入が年金だけになると心配になるかもしれませんが、幸せな老後生活を考えるという視点も残しておきたいと考えます。私が思う理想的な老後生活は、豊かな老後資金というより、仕事を引退しても知人が訪ねてきてくれることです。そのために肩書が必要ない人間関係を作っておきたいと思っています。

少し話がそれましたが、ねんきん定期便を確認するチェックポイントを解説していきました。このブログを読んで、ねんきん定期便を開封してくれる人が一人でもいてくださったら、うれしく思います。そして、準備が必要な人はできるだけ早めに取り組んでいきましょう。

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