地震の補償を100%に?これで地震保険の考え方が変わる

9月1日は防災の日です。1923年9月1日、関東大震災が発生しました。今年で100年です。

地震などの災害について、考える時間はなかなか取れないと思います。日常生活ではどうしても優先順位が下がります。この防災の日がある9月に、せめて一年に一度でも考えてみませんか?

今回は、地震保険について解説していきたいと思います。

地震保険とは?

地震保険は、建物、家財について火災保険とセットで加入する保険です。火災保険に加入せずに地震保険だけ単独での契約はできません。

地震保険でカバーできる補償額は、火災保険の保険金額の30%~50%です。3000万円の建物に火災保険金額3000万円の契約をするとしたら、地震保険は900万円~1500万円の範囲で保険金額を設定します。

つまり、地震が発生して全壊しても、地震保険で補償されるのは建物価格の半分の保険金額が最大ということです。(または5000万円限度)家財保険も同様です(上限1000万円)

地震保険はそのような性質なので、被害にあった建物を建て直すというより、生活を立て直す資金としての活用が見込まれると考えています。地震保険の保険金では元通りの住宅を建てることができないのです。

住宅ローンが残っている場合は、建物が被害にあったとしてもローンは無くなりませんので、一気に苦しい状況となります。

地震保険の上乗せとは?

 そんなこと言わずに、地震保険で建物や家財の100%補償してほしいと考える人も当然いますよね。ということで、地震保険に上乗せできる特約があります。「地震危険等上乗せ特約」です。すべての保険会社ではありませんので注意が必要です。

 東京海上火災、損保ジャパン、ジェイアイ傷害火災の各保険会社は特約の存在を確認しました。他にもあると思います。

 この特約を付けておくと、地震保険の補償対象となれば上乗せして保険金が出るので、100%補償となります。この場合、もとになる地震保険を上限50%で契約する必要があります。下限の30%で契約している場合は、その30%分が上乗せになるので合計で100%にはなりません。

単独契約OKのものがある

 前段で地震保険は単独で契約はできませんと言いましたが、じつは単独で契約できるものがあります。損害保険会社ではなく、「少額短期保険会社」が提供する少額短期保険で単独で契約できる保険があります。SBI損保が取り扱い会社となり「SBIいきいき少短の地震の保険」というものです。

特徴的な保険を生み出す少額短期保険で、これから増えていくかもしれません。大きな保険会社では取り扱わないようなニッチな分野の保険を作っている会社が多く、その商品に感心します。「その手があったか~」みたいな感じです。

地震保険の考え方が変わるか

 前段で解説したように、地震保険は50%上限の設定でしたから、建物をもう一度建て直すという補償ではありませんでした。生活を立て直す資金だとお伝えしたのは、そういう理由です。

 ただ、上乗せ特約を契約すると、建物を建て直すことができるようになります。そうすると地震保険の意味合いが変わってきます。まさしく住宅を建て直す保険となります。住宅ローンが残っていても、同じような建物が保険金で建築できるので、これは安心です。

保険料はいかほどか?

 そもそも地震保険が割と保険料が高めです。と言いますか、火災保険があっての地震保険なので、そこまで保険料と考えると高く感じることもあると思います。

 地震保険はお住まいの地域で保険料が異なり、高い地域、そこまで高くない地域があります。地震が心配な地域は、保険会社も支払いが心配な地域にあたりますので、保険料が高くなりがちです。

 また、地震災害は広い範囲で被害が発生することが予想されます。補償額もとてつもなく大きくなることが想像できます。そこで、地震保険は政府と損害保険会社との共同運営しています。地震災害の補償について、損害保険会社が全て受け持つ訳ではありません。

 地震危険等上乗せ特約。これは、損害保険会社が保険金支払いを受け持つので、地震保険より少々お高めとなります。それぞれの保険会社で確認をしてください。

単独契約OKの少額短期保険も検討に含めることも良いと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

地震などの災害は、いつ発生するか分かりません。どれだけ心配すればいいのかも分かりません。私としても地震保険は加入しておりますが、上乗せ特約はありません。どうしましょうかね・・・

地震保険、防災グッズ、非常食はデフォルトとして、地震危険等上乗せ特約は要検討といったところでしょうか。

皆さまも、ご心配でしたら上乗せ特約を検討されてはいかがでしょうか。