- ライフイベント別資金
- 2022年6月25日
おひとりさまのライフプランを考える 福井のファイナンシャルプランナーがポイントを解説します
「おひとりさま」は増えている さまざまなライフスタイルを選択……
「そろそろ老後のことを考えないといけないのかな」
50代前後になると、そんな言葉がふと頭をよぎる瞬間が増えてきます。
きっかけはさまざまです。
ねんきん定期便が届いたとき
健康診断の結果を見たとき
親の介護や相続の話が出たとき
ニュースで年金問題の話題を見たとき
特別な出来事がなくても、
「今のままで大丈夫なのかな」と、
なんとなく不安になることもあります。
老後を考え始めること自体は、とても自然で、前向きなことです。
でも実際には、考え始めた瞬間から、不安のほうが大きくなってしまう人が少なくありません。
いざ老後のお金を考えようと思い、
ネットで検索してみると、たくさんの情報が出てきます。
・老後資金はいくら必要か
・平均寿命までにかかる生活費
・年金だけでは足りない
・このままだと老後破綻する
YouTubeやSNS、本や雑誌でも、刺激的な言葉が並びます。
どれも一理ある話です。間違っているわけではありません。
それでも、不安が増えてしまうのはなぜか。
それは、多くの情報が「前提条件」を省いたまま、いきなり数字の話をしているからです。
誰の話なのか
どんな暮らしを想定しているのか
いつから、いつまでの話なのか
ここが整理されないまま数字だけを見ると、
「自分も同じだけ必要なのでは?」
「全然足りていないのでは?」
と、気持ちが追い込まれてしまいます。
老後という言葉は便利ですが、じつはとても曖昧な言葉でもあります。
65歳から老後だと思う人もいれば、
70歳までは現役だと考えている人もいます。
仕事をきっぱり辞めたい人
体力が続く限り働きたい人
収入は減っても、人とのつながりは持ちたい人
さらに言えば、老後はひとつの期間ではありません。
元気に動ける時期
少しペースを落とす時期
できるだけ安心して過ごしたい時期
このすべてを「老後」という一言でまとめてしまうと、お金の話がどうしても大雑把になります。
まずは、「自分はどんな老後をイメージしているのか」を言葉にしてみること。
完璧でなくて構いません。
途中で変わってもいいのです。
相談の場で、
「老後のお金が不安です」と言われる方は多いですが、
話を聞いていくと、実はお金以外の不安が混ざっていることがよくあります。
・健康を保てるかどうか
・一人になったとき、どうなるのか
・家族に迷惑をかけないか
・判断力が落ちたとき、誰が支えるのか
これらは、数字では解決できない不安です。
でも、不安を感じている本人にとっては、すべてがひとまとめになって
「老後のお金が不安」という言葉になっていることが多いのです。
ここを切り分けずに、いきなり資産額や運用の話をすると、どうしてもモヤモヤが残ります。
老後のお金の不安は、人生の後半をどう生きるか、という不安と深くつながっています。
老後の話になると、どうしても「いくら貯めるか」「どれだけ増やすか」
という話が中心になります。
もちろん、それも大切です。でも、老後は若い頃と同じ考え方では進みません。
老後は、お金を増やし続ける時期というより、使いながら守っていく時期。
「いくらまで増やせるか」より、
「どんなことに使いたいか」
「何にお金を使えると安心できるか」
ここが見えてくると、必要なお金の考え方も自然と変わります。
貯める話ばかりで疲れてしまうのは、ゴールが見えないまま走っているからかもしれません。
老後のお金を考えたからといって、不安がすべて消えるわけではありません。
でも、
「よく分からない不安」
「なんとなく怖い不安」
が、
「向き合える不安」に変わることはあります。
それだけで、気持ちはずいぶん楽になります。
数字を出すのは、そのあとで大丈夫です。
順番を間違えなければ、老後の話はもっと落ち着いて考えられるようになります。
老後のお金には、ひとつの正解があるわけではありません。
だからこそ、正解を探す前に、整理することが大切だと思っています。
数字の前に、気持ちと暮らしを整える。
老後のお金は、そこから始めても遅くありません。
▶独立系ファイナンシャルプランナーとして、相談業務、セミナー講師などで活動しています。 ▶FBCラジオ ラジタス 第一木曜日 10:50~ 「FPふくちゃんのお金に関するエトセトラ」レギュラー出演中 福井で唯一?のラジオFPです ▶FPでIFAというポジションを活かした相談が得意 節約だけが家計見直しじゃない!を念頭に置いた相談を心掛けています。 ▶法人向けに企業型確定拠出年金の導入サポートを推進しております