相続で揉めたくない!FPが教える遺産分割、相続税対策、認知症対策 2/3

相続を争族にしないための対策3選

一つ目、遺産分割対策

 前回のブログで解説しましたので、こちらをご参照ください

相続で揉めたくない!FPが教える遺産分割、相続税対策、認知症対策 1/3

二つ目、相続税対策

 これは、相続税のために納税資金を準備すること、相続税が過大にならないよう節税対策をするという2つの対策があります。

三つ目、認知症対策

 長生きのリスクといわれる認知症。認知症になるとできなくなることがあります。契約行為や資産管理が難しくなります。介護費用のために準備しておいた預金も使えなくなる可能性があります。認知症を発症した場合でも対応できるよう準備する必要があります。

今回は第二回、相続税対策を見ていきましょう。

相続税対策には種類がある

 相続税対策には種類があり、「納税対策」「節税対策」の2つです。それでは順番に確認してみましょう。

納税対策とは

 納税対策とは、相続税を納めるための準備です。全体の約8%といわれる相続税を納める世帯の課題となります。

 納税資金をどのように確保するかの対策です。現預金が大きくあるようでしたら、問題ございません、準備済みとなります。

相続財産を現金化する

 相続税は現金一括で納めます。不動産など「物納」はスムーズに認められないという情報もあります。もし、相続財産に不動産が多い場合は、あらかじめ現金を確保しておきましょう。

 相続発生後に現金を準備しようとすると、相続税の申告、納税に10カ月という期限がありますから、それまでに不動産を売却する必要があります。期限があると慌てて売却することになり、相場より低い金額で売りに出すことになる可能性があります。じつは、私の自宅は中古住宅を購入していますが、まさしく相続案件でして、間違いなく相場より低い金額で購入しています。私としては購入した瞬間からプラスの資産です。焦って売却することになると、このようなことが起きます。購入する側は相続案件待ちでお得になりますが、売却する側は微妙な心境になるでしょう。

 ただ、父母や祖父母に「早めに売って現金にしておこうよ」という相談をすることになるので、気持ちに寄り添う慎重さも必要ですね。

 現金化するものを、相続財産から考えて色分け、優先順位を検討しておくと慌てずに済みそうですし、相談しやすくなります。

生命保険の活用

 現金がなければ、現金を作るという意味も含んでいる生命保険。相続税を納税することになる相続人を生命保険の受取人に指定しておくと、相続発生時に生命保険金を受け取って納税することができます。生命保険金は原則、受取人固有の財産であるため、現金を準備する方法として活用されています。

 生命保険の契約は基本的に健康であることが前提となるので、父母、祖父母の健康状態によっては「そろそろ生命保険を準備するか」というタイミングで契約できるとは限りません。健康状態に不安な人も契約できるタイプがありますが、保険料が割り増しとなるので注意が必要です。

 いずれにしても、生命保険は納税資金において効力を発揮できると考えています。生命保険金で受け取る分には非課税枠がありますから、その点でも活用しやすいです。非課税枠は「500万円✖法定相続人の数」となります。法定相続人が3人でしたら、1500万円までが非課税となります。

 ただし、生命保険の契約において、契約者である父母や祖父母に理解してもらう必要がありますし、契約行為ですから認知症が発症してからの生命保険契約はできません。

オーナー経営者ができる死亡退職金の準備

 被相続人になり得る人が会社経営者の場合、会社の死亡退職金・弔慰金支給の規定を整備しておくことで、納税資金を準備することができます。後継者が相続人であり受取人になることでスムーズに対応できるようになります。

相続人に資金を早めに渡す

 前回の遺産分割対策のブログ(上にリンクあります)で、遺産分割で揉める前に生前に渡してしまうという紹介をした「生前贈与(暦年贈与)」「相続時精算課税制度」を活用することで、相続人に資金を先渡しします。

 賃貸不動産などの収益物件や配当金があるような資産を相続人に先に渡すことで、納税資金を準備できるようにします。生前贈与(暦年贈与)でも構いませんが、相続時精算課税制度を活用する方が有効なケースもありますので、専門家に相談することをお勧めします。

ほかにもありますが・・・

 ほかにもありますが、一般的にお伝えできるのは上記のような方法になります。準備できていない!ということでしたら、税務署に「延納」の相談ができます。また、金融機関に借入の相談となります。念のためもう一度お伝えしますが、相続税は相続開始を知った日の翌日から10か月が申告期限で、現金一括払いです。

節税対策とは

 税金は出来るだけ納めたくないという心理はありますよね。税金とストレスは少ない方が良いです。それでは、節税するにはどのような方法があるのでしょうか。ここでは表通りの話をしていきます。ホワイトです。グレーでも裏技でも裏道でもありません。

 節税対策は2つあり、「相続財産を減らす」「相続財産の評価を下げる」です。それではご紹介していきます。

生命保険の契約

 先ほども出てきた生命保険です。500万円✖法定相続人数という非課税枠があるとお伝えしました。例えば法定相続人が3人でしたら1500万円までは非課税ということになります。

 相続財産がしっかりあって相続税がかかることになると、預金で1500万円保有していると課税されますが、一時払い保険料1500万円で、1500万円の死亡保険金がある生命保険に加入すると、その保険金は非課税となります。課税される現金より非課税の保険金という図式です。

 ただし、これは駆け込みでやるものでもありません。 親子、家族間でしっかり対話ができるうちから相談して、対策していきましょう。

生前贈与をする

 前回の遺産分割対策ブログでも書きましたが、生前に先に渡してしまうことで相続財産を減らすことができます。贈与税の基礎控除は年間110万円です。それ以下でしたら、非課税で生前贈与(暦年贈与)ができます。子や孫が10人いらしたら、毎年1100万円を生前贈与して相続財産を減らすことができるのです。

 また、一括贈与という方法もあります。

教育資金贈与の非課税措置

1500万円まで、直系で受贈側は30歳まで、令和8年3月31日まで

結婚・子育て資金贈与の非課税措置

1000万円まで、直系で受贈側は18歳~50歳未満、令和7年3月31日まで

住宅取得等資金の贈与税の非課税措置

1000万円まで、直系で受贈側は18歳以上、令和8年12月31日まで

これらの一括贈与の特例は暦年贈与と併用できるので、さらに相続財産を減らすことができます。金融機関での手続きなど必要なことがありますので、確認しながら活用してください。

小規模宅地等の特例

 小規模宅地等の特例とは、条件を満たすことで不動産の評価を下げることができる特例です。居住用の住宅で330㎡までの部分は最大80%下げることができ、評価額を20%にすることができます。330㎡を超える部分は通常の評価となります。

※評価額5000万円の土地で小規模宅地等の特例による計算
5000万円✖(1-80%)=1000万円 ⇒ 課税対象額1000万円

4000万円分が節税となります。大きいですね。

 注意点がひとつありまして、基礎控除などを計算して相続税が課税されそうで、この特例を活用することで相続税非課税になる場合は、納税はありませんが申告は必要です。相続税がかかるかと思ったけど、特例で計算したら非課税になって納税しなくていいですよねという申告です。

 配偶者は無条件で適用の対象ですが、同居の親族で相続発生後もそのまま住み続けることで、小規模宅地等の特例の対象となります。少し前から親子で同居しましょう。といっても、簡単ではない場合もありますから、家族会議が必要になるかもしれません。

養子縁組で相続人を増やす

 養子縁組をすることで相続人を増やすと、基礎控除額、生命保険の非課税枠を大きくすることができます。どちらも法定相続人数により計算されるので、養子縁組で相続人を増やすことは節税に有効です。

 ただし、3人以上養子縁組しても2人までしか法定相続人になりません。また、養子となる人、家族の気持ちの問題も気になります。配慮が必要です。

不動産を活用する

 空き家や土地を所有していて、それを収益物件として活用すると節税対策となります。賃貸アパートなどは、自宅や別荘よりも相続税評価額が下がります。入居者がいて、自分の所有物件でも自由にできないという状態なので相続税評価額が下がることになります。

 じゃあ、評価を下げるためにアパート建てようと簡単に決めてしまうと大変です。アパート経営は相続税どうこうでなく、慎重に進めるべきです。借入してアパート経営も慎重にする必要があります、簡単ではありません。安易にアパート建設会社の営業に乗らないでください。その業者は建てたら終わりですが、借金してアパート経営するあなたはそこから始まるのですから。終わる業者と始まる人では、見てるところが違います。

 投資用ワンルームマンションを購入するという手もあります。預金で5000万円を保有しているより、5000万円一括で中古マンションを購入し賃貸に出すことで相続税評価額を下げる効果があります。※令和6年より補正を行うため相続税評価額が従来より高くなるケースもあります

ほかにもあります

 ほかにも、相続時精算課税制度、墓地や仏具を生前に購入などあります。仏具などは純金製とか、非課税とならないケースもあります。なんでもそうですが、やり過ぎはダメということですね。

まとめ

 いかがでしたでしょうか?相続税対策として、納税対策と節税対策を紹介しました。相続税の対象になるようでしたら、事前に相談できると対策できるということです。相続が発生してからは、どうにもできません。

 父母や祖父母を含めて、家族で想いを共有しないと対策は出来ません。情報が少ない家族間では結論が出しにくいことがあります。

 そんな場合は、ライフスタイルプラスにお声掛けいただけると、ファイナンシャルプランナーの福田、実直な生命保険代理店、賃貸経営に強い不動産会社、相続に強い司法書士、税理士、そして弁護士といった、福井でもトップクラスに相続に強いチームで相談することができます。

 第三者が家族会議に入ることで、感情が抑えられ、ぶつかることも減り、冷静に話し合いができると思います。

 納税対策、節税対策は出来ることが多いです。いずれにしても、早めに対策していきましょう。