夏のボーナス、どう使う?FPが教える後悔しない使い方

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毎年この時期になると、街の雰囲気が少しだけ華やかになります。
百貨店のセール、旅行サイトのキャンペーン、そしてSNSには「ボーナスで○○買った!」という投稿がちらほら見られますね。そうです、夏のボーナスシーズンです。個人事業の私には関係のないボーナスシーズンです。

FPとして多くの方の家計相談に乗ってきた中で、ボーナスの使い方にはその人らしさがよく表れると感じています。


今回は、ボーナスを「後悔しない使い方」にするための考え方と、消費・投資・貯蓄のバランスについて、そして自分へのご褒美との付き合い方まで、FP目線でお話ししてみたいと思います。

💰ボーナスは「臨時収入」ではなく「人生の贈り物」

まず最初にお伝えしたいのは、ボーナスは単なる臨時収入ではなく、人生の贈り物だということ。

ボーナスの日本での始まりは、江戸時代にさかのぼります。商家や職人の主人が、お盆と年末に奉公人や丁稚に「お仕着せ」として新品の着物や金銭を渡す習慣がありました。これがボーナスの原型である「お仕着せ」と呼ばれていました。

このように、ボーナスの半分は優しさで出来ているような制度なのです。


普段の生活費とは切り離して考えられる貴重な資金だからこそ、「何となく使ってしまった」「気づいたら消えていた」という使い方は避けたいところです。

⚖️消費・投資・貯蓄の「黄金バランス」とは?

ボーナスの使い方を考えるとき、よく出てくるのが「消費」「投資」「貯蓄」の3つの選択肢。
それぞれの意味を整理し、理想的なバランスを考えてみましょう。

使い道割合の目安コメント
消費30%心の満足も大切です。メリハリをつけて使う
投資40%将来の自分への投資、仕込みとして活用
貯蓄30%安心感を得るための備えとして

このバランスはあくまで一例ですが、「全部使う」「全部貯める」ではなく、目的に応じて分けることで、後悔のない使い方につながります。

🎁「自分へのご褒美」は戦略的に使う

ボーナスの使い道としてよく聞くのが「自分へのご褒美」。
これは決して悪いことではありません。むしろ、毎日頑張っている自分を労うことは、モチベーション維持にもつながります。たまには、自分を甘やかしてもいいですよね。

ただし、ここで注意したいのは「ご褒美の質と量」です。
高級ブランド品を衝動買いして後悔するよりも、心から満足できる体験や、長く使えるアイテムを選ぶ方が、幸福感は持続しやすいです。
ご褒美として、ハイブランド品を購入するときに大切なのは、「買えるから買う」ではなく、「以前から欲しかったから買う」という視点です。憧れに触れる瞬間こそ、ご褒美の本質です。
価格ではなく、想いで選ぶことで、満足感は一瞬ではなく、長く心に残ります。

🛍️ボーナス払いで買い物している人へのアドバイス

ボーナス払いは便利な仕組みですが、未来の収入を先取りして使う行為でもあります。
特に、ボーナスが減額されたり支給されなかった場合、家計に大きな影響を与えることも。

FPとしてのアドバイスは

  • ボーナスが支給されなくても払えるか?を事前にシミュレーションする
  • 金利や手数料の有無を確認し、「お得に見えて損している」買い方を避ける
  • 「欲しい」ではなく「必要か?」という視点で判断する
  • 支払い月の予算に組み込んで、家計簿で未来の支出も管理する

ボーナス払いは便利な道具ですが、使い方がすべてです。

🏠ボーナスが生活費の補填になっているご家庭へのアドバイス

ボーナスが生活費の補填になっている家庭は、毎月の収支バランスが悪い可能性が高く、家計の構造的な見直しが必要です。

FPとしては、以下のようなステップをおすすめします

  • 年間収支で家計を捉え、「赤字月の原因」を分析する
  • 特別支出(教育費、車検など)は別枠として管理する
  • 固定費の見直し(保険、通信費、住宅ローンなど)を優先的に行う
  • 生活防衛資金(生活費の3〜6ヶ月分)を確保する
  • 収入増の可能性も視野に入れ、家族で話し合う

「ボーナスがなくても大丈夫」な家計を目指すことが、長期的な安定につながります。

📉住宅ローン金利が少し上昇するだけで破綻の入り口に?

ボーナスが生活費の補填になっているご家庭は、毎月の収支が、赤字になっているか、ギリギリになっていると想像します。


そのようなご家庭で、変動金利型の住宅ローンを利用している場合は、金利が0.5〜1.0%上昇するだけで、年間の返済額が数十万円増えることもあります。変動金利でなくとも、固定期間選択型で短いサイクルになっているケースも同様です。

FPとしての対策は以下の通りになります

  • 金利上昇シミュレーションを行い、「その金額を払えるか?」を確認する
  • 住宅ローンの借り換えや固定金利への変更を検討する
  • 繰上げ返済は「生活防衛資金を確保したうえで」行う
  • 家計の構造改革(支出の優先順位整理、収入増の検討)を進める

金利上昇は予測できるリスクだからこそ、今のうちに備えることができます。もし、金利が1%上昇すると、毎月の支払額は2割増加します。

まとめ

いかがでしたでしょうか

ボーナスは、日々の生活の中で少し立ち止まり、自分の価値観や目標を見直すチャンスでもあります。
「何に使うか」だけでなく、「どう使うか」「なぜ使うか」を考えることで、後悔のない選択ができるはずです。

FPとしての立場から言えば、ボーナスは“人生のチューニングタイム”。
今の自分と未来の自分、両方を見つめながら、納得のいく使い方をしていきましょう。

Wrote this article この記事を書いた人

福田 智司

▶独立系ファイナンシャルプランナーとして、相談業務、セミナー講師などで活動しています。 ▶FBCラジオ ラジタス 第一木曜日 10:50~ 「FPふくちゃんのお金に関するエトセトラ」レギュラー出演中 福井で唯一?のラジオFPです ▶FPでIFAというポジションを活かした相談が得意 節約だけが家計見直しじゃない!を念頭に置いた相談を心掛けています。 ▶法人向けに企業型確定拠出年金の導入サポートを推進しております

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