投資詐欺の手法「ポンジスキーム」とは?概要を福井のFPが解説

ポンジスキームは、巧妙に計画された投資詐欺のひとつであり、1920年代にアメリカのチャールズ・ポンジという詐欺師の手法で、その名前が使われています

100年経過した現在でも、投資詐欺はこの手法を使っているし、まだまだ通用する手法ということです。時代は変わっても、人はそんなに変わっていないということかもしれません。

ポンジスキームとは?

このポンジスキームを簡単に言うと、高配当をうたって資金を集め、さらに新規で集めた資金から、既存の客に配当金を出します。資金を集めて配当金を出す、もちろん詐欺師本人の取り分も確保するという単純な仕組みです。ただし、実際に投資はしておらず、必ず破綻する自転車操業の仕組みで、どこかのタイミングで詐欺師の姿が見えなくなります。もう配当が払えず破綻というより、この辺りで手じまいするという詐欺師都合の破綻です。

数年に一度は投資詐欺がニュースになります。そのようなニュースに触れるたびに「なんでそんな話に3000万円も、5000万円もお金を出すの?」とか「私は大丈夫、詐欺はさすがに気づくでしょ」と思う人が多いのではないでしょうか?

客観的に見れば、「なぜ、そんな話を信じるのか?」と思いますよね。それでも被害者が出るのが投資詐欺ということなんでしょうね。

今回は、投資詐欺のひとつ「ポンジスキーム」の特徴を解説していきます。

ポンジスキームの特徴とは

ポンジスキームには大きく4つの特徴があります。

  • 高利回りの配当
  • 元本保証
  • 少額からの投資
  • 高額な紹介料

それぞれ、解説をしていきます。

高利回りの配当

ポンジスキームは、驚くほど高利回りを約束して投資家を引き付けます。一般的な投資に比べて非現実的に高い利回りを提供できると言い切ることで投資家の貪欲さを利用しています。

「もしかしたら、本当かもしれない」と思わせるのが相当うまいのでしょうね。

この配当は新たな投資参加者からの入金で当初の参加者に配当を支払うことで、持続性を保っています。この仕組みにより、投資参加者は実際に配当を受け取れるため、信頼性があるように感じます。

元本保証である

出資金を募る投資案件ですが、元本保証を前面に出してきます。金銭貸借契約であるということでお金を出すほうは「貸す」ことになり、借りた金は返すので元本保証と謳うケースもあるようです。

少額から投資ができる

いきなり高額な出資金を募らずに、少額からスタートできる仕組みです。少額からのスタートでも、高利回りの配当が出ることで、信用を積み上げていきます。本当に配当が出ること思えば、10倍の出資で配当が10倍に・・・などと考えて、高額の出資金に繋がっていきます。

高額な紹介料

既存の客に高額の紹介料を提示することで、新規客を集めます。既存の客は配当を受け取っており、投資がうまくいっているように感じるので、紹介することに躊躇しません。

自分も被害者なのですが、新たな被害者を作り出す加害者となる怖い側面があります。

疑問や疑念を解消する

投資の話があると、本当かな?信用できるのか?と、話がうますぎて心配になる人が多いと考えられます。

そこを乗り越えるデータが重要です。(詐欺師目線)

なぜ、元本保証と言えるのか?

なぜ、高利回りの配当が出るのか?

この疑問を解決する回答が準備されています。

実際に投資をしていなくとも、データは作れます。むしろ投資の実績を伝えるデータではないので、見栄えよく作ることができます。そもそも詐欺ですからね。

実際に渡されるパンフレットのようなものがあるのか、先生のような人が出てきて話をするのか、いろいろあると思いますが、信用できるような話が出来上がっています。

紹介者が、迷うあなたを後押しするかもしれません。その時の紹介者はだまそうと思ってないので、判断が難しくなります。

しかも、少額から始めることができると、「それくらいの金額なら、やってみようかな」となるかもしれません。

ポンジスキーム被害を回避するために

投資詐欺からの回避、ポンジスキームの見破り方はあるのでしょうか?考えてみたいと思います。

詳細な調査とリサーチ

どんな投資機会にも飛び込む前に、徹底的な調査と情報収集を行いましょう。関連する企業や組織の信頼性や実績、ライセンスや登録番号の有無などを確認し、背景情報を十分に把握しましょう。

投資家保護の法的枠組み

投資家保護のために、適切な法的枠組みを利用しましょう。信頼できる金融機関や規制当局によって監督されている投資商品を選ぶことで、被害リスクを低減することができます。

高利回りに対する慎重な考え方

非現実的に高い利回りを謳う投資の話題には注意が必要です。投資はリスクとリターンのトレードオフであり、合理的な利回りを提供するものとして慎重に選ぶべきです。

ハイリターンのためにはハイリスクであると考えるのが前提であり、ローリスク・ハイリターンも難しい世の中に、リスク「0」でハイリターンはあり得ません。

口コミや紹介に依存せず自分で判断を

家族や友人の勧めで投資の話に飛びつく前に、自分で判断しましょう。ポンジスキームは、紹介や口コミによる勧誘を利用することが多いため、自分自身の調査やリスク評価を怠らないようにしましょう。

「この人が言うなら信用できる」「この人もやってるし大丈夫かな」と思うのも理解できます。それでも、飛びつかずに、自分で考えて判断することが重要です。

まとめ

投資詐欺のひとつ「ポンジスキーム」について解説していきました。

自分では引っ掛からないと思っていると、もしかしたら被害者になるかもしれません。さらに加害者になる可能性もあります。

慎重に考えることが重要で、なぜ、その仕組みが成立するのかをしっかりと考えて判断したいところです。

詐欺とまでは言えなくても、怪しい話はいくらでもありそうです。

仮想通貨、マイニング、未公開株、エネルギー関連、プロ向けファンド、他にも多くの切り口の投資話が横行しています。

防衛策はいろいろとありますが、まずは「飛びつかない」ことです。