iDeCoの「スイッチング」は超重要 福井のFPが解説します

老後資金の準備のために、iDeCoを活用されている人も多いのではないでしょうか。

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私もライフプラン相談で、お勧めをしています。もちろん、金融機関の選び方もお伝えしています。

掛け金の所得控除、運用益非課税、受け取り時も税制優遇があるiDeCoですが、受け取り方もとても大事です。

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今回は、iDeCoを活用していく中で、じつは超重要と言える「スイッチング」について、解説していきます。

iDeCoのスイッチングとは

iDeCoで、毎月掛け金を拠出して積み立てをしていきます。

例えば、毎月1万円を、投資信託のA商品、B商品の2種類を購入していくとします。

ある程度の期間が経過すると、それぞれの積立額が貯まってきます。

その貯まってきた部分を売却して、他の商品を購入することができます。移し替えるイメージです。

下図はそのイメージ図ですが、B商品をすべてとA商品の一部を売却しています。その売却した資金でC商品、D商品、E商品を購入しています。

スイッチング

これは、毎月購入している商品の変更ではなく、貯まっている部分の移し替えです。

このことを、スイッチングといいます。

毎月購入しているA商品とB商品を変更しなければ、この後もA商品とB商品を購入していくことになります。

A、C,D,E商品があるところに、A、B商品が追加されていくようになります。

もちろん、購入する商品も変更できます。

スイッチングはいつでもできる

スイッチングはいつでもできます。そして、手数料は無料です。

ただし、iDeCo口座を開設している金融機関によっては回数の制限があるので、確認が必要です。

また、購入している投資信託によっては、信託財産留保額が決められていて、売却するときに差し引かれることがあります。これも確認が必要です。

ちなみに信託財産留保額というのは、運用会社や販売会社の手数料ではなく、その投資信託に残していく財産のことです。

スイッチングはやりすぎ注意

スイッチングはいつでもできるし、何度もできるということではありますが、そんな頻繁にスイッチングすることはお勧めしません。

投資は基本的に長期で取り組む方が良いと思いますので、短期間での商品の変更はお勧めしません。むしろ、やめてください。

スイッチングはいつするのか

スイッチングは、残り期間で考えます。

60歳で引き出しをすると考えると、20代だと残り期間は30年以上ありますし、50代だと10年切っています。

20代、30代の人は、株式多めの配分比率で良いと思います。

もし、マイナスが出てもリカバリーできる期間があるからです。

40代、50代になると着地点が近づいていますから、債券の比率を徐々に増やしていくのが良いと思います。

株式の比率を下げて、マイナスが出たとしても小さく抑えるようにしていきます。

この比率は一例なので、この比率があなたにとっての正解とも言えません。

スイッチングはタイミングが重要

このタイミングが一番大事です。

来月に受け取ろうと計画しているときに、リーマンショックやコロナショックのようなことが起きたら大変です。

あと2,3年で受け取ろうかと考え始めたら、元本保証型の預金などにスイッチングしていきましょう。

様子を見ながらで良いと思いますから、一度に全額を預金にしなくてもいいです。

しっかり利益が出ているようなら、利益確定の意味も含めて預金にスイッチングしてもいいですね。

まとめ

スイッチングをすることを、あまり考えずにiDeCoを活用されている人が多いかもしれません。

iDeCoの制度は活用しますが、あくまで投資です。iDeCoは損をしないというものではありません。

iDeCoはほったらかし歓迎ではありますが、放置はダメです。スイッチングするかどうかも含めて、見直しや確認は大切です。

あなたのiDeCo口座を開設している金融機関によっては、商品数が少なくスイッチングする幅が無い可能性があります。商品ラインナップを確認してみましょう。

iDeCo口座は金融機関の変更ができるので、場合によっては検討しても良いと思います。口座管理手数料が高い金融機関もありますからね。

iDeCoは加入している間も重要ですが、出口である受け取る時が超重要です。

スイッチングすることを検討し、豊かな老後を迎えましょう。