住宅は購入か賃貸か、どっちがお得?現役ファイナンシャルプランナーが比較

住宅は購入か賃貸か、どっちがお得?現役ファイナンシャルプランナーが比較
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住宅の購入と賃貸、どちらがいいのか考える

永遠のテーマのようなこの問題。これから住まいのことを検討する人の助けになればと、購入と賃貸のメリット・デメリットを考えてみたいと思います。損か得か、気持ち的にどうか、将来どうなる、このような視点で考えていきます。

私も若いころ、結婚してしばらくは賃貸住みでした。あの頃は楽しかったな~という思い出はいいとして、とりあえず賃貸という感じでした。お互い会社員でしたし、どの地域に住むかというこだわりもありませんでしたから、通勤や生活に便利なところに住みたいと決めた覚えがあります。現在では、17年前に中古住宅を購入し、すっかり古くなった家に住んでいます。賃貸と購入の両方を経験しましたので、どちらの気持ちも理解できます。

賃貸か購入か、あなたはどっち?

 

賃貸住まいのメリット

賃貸はまとまった資金が必要ない

住宅を購入しないので、頭金や購入の諸費用などまとまった資金が出ていきません。つまり、キャッシュフローが痛みません。このメリットは大きいと思います。資金の準備が必要ないですし、資金が出ていきません。

住み替えしやすい①

その時の家族のサイズ感に合わせて選択できます。転職、転勤、家族が増える、子どもが独立して同居家族が減るなど、いろいろな要素がありますが、賃貸なら住み替えができます。

住み替えしやすい②

ご近所トラブルにも対応ができます。先日、お客様が事務所兼店舗を探していまして、割と立地が良い物件がずっと空いているのを思い出し、管理している不動産会社に問い合わせました。そこで、ご近所トラブルが多く、借り手が長く居てくれないという理由を聞いたとき、これが住宅でしかも購入した場合は、どうにもならないと怖く感じました。そんな場合でも、引っ越しすれば逃げられると思えば少しは気が楽になるかもしれません。

空き家を残さない

これまでは自宅不動産は資産になることが住宅購入の理由の一つでしたが、果たしてそうなのか?という疑問があります。それは、空き家問題です。結婚してそれぞれの実家が空き家になる可能性があれば、空き家問題が2倍になります。それをまた子の世代に残すのか?という心配。賃貸であれば、そんな空き家問題を子ども世代に残す心配はありません。

引っ越しのたびに断捨離

何事も固定化すれば淀みができるものです。もしかしたら、住まいもそうかもしれません。そういう意味では、賃貸で引っ越しをする場合に断捨離し、リセットする機会になるかもしれません。物も人間関係も・・・・・・私もふと考えるときがあります、リセットできたらなと

固定資産税を払わなくていい

賃貸ですから自分の所有ではありません。つまり、固定資産税という税金は必要ありません。相談者に不動産を多く持つ資産家がいらっしゃいますが、「固定資産税という家賃を国に払ってるようなもんや」という何とも切ない名言をいただきました。不動産を所有していても精神的な家賃が発生するようです・・・固定資産税は負担感があります。

賃貸住まいのデメリット

死ぬまで家賃

家計のサイズに合わせて引っ越して、老後には家賃が安いところで生活できます。しかし、安いとはいえ死ぬまで家賃を支払う必要があります。払い終わりがありませんから、ずっと支払います。安いところに引っ越すといっても、老後にはある程度便利なところに住んでいないと、スーパーでの買い物や病院への通院などが大変なことになります。私の親戚に田舎住まいの老夫婦がいますが、免許証を返納したら近所のスーパーが撤退し、買い物もままならない状況になってしまいました。通院もタクシーです。そう考えると便利なところに住みたいとなりますが、すると結構なお家賃になるかもしれません。

その家賃は死ぬまで払います。

死ぬまで賃貸にいられるのか

賃貸だと更新というタイミングがあります。そのときに高齢者世帯の場合に更新できないかもしれないという情報もあります。少々の心配が残ります。

住宅を購入するメリット

新築購入の満足感

自分の家だという満足感は大きいと思います。注文住宅の場合は、間取り、材質なども予算の範囲で思いのまま、自分の理想通りの住宅にすることができます。これは満足感が高いでしょう。住宅は100%満足にはならないと言われますが、それでも自分好みの住宅なので満足感、納得感はあります。

中古住宅購入のお得感

一軒家を持ちたい希望と予算を抑えたいという希望を叶える方法に中古住宅の購入があります。建物の価格が抑えられるため、住みたい地域で少し土地の価格が高くても、新築より購入価格は低くなります。タイミングが良いと掘り出し物みたいな物件に出会える可能性もあります。私も中古住宅を購入しました。とても便利で土地の価格も割と高い地域(福井市内において)なのですが、持ち主がすぐに売却したいからと割安で売りに出したタイミングに遭遇し即購入となりました。住宅ローンを組みましたが、すぐに売却してもローンは残らない価格で購入することができました。

これが中古住宅の魅力だと思います。間取りや設備はありのままを受け入れることになりますが、リフォームできますから問題ありません。

購入した住宅はリフォームできる

自己所有なのでリフォームし放題、何でもできます。新築購入し古くなった時もリフォーム、中古住宅を安く購入しリフォームできます。中古住宅購入で住宅ローンを組む場合でも、リフォーム費用も含めてローン相談できます。2022年から中古住宅の住宅ローン控除の範囲が拡大したので、リフォーム込みの中古住宅購入も選択肢に入るのではないでしょうか。

一生分の家賃を払い切る

住宅を購入する場合、住宅ローンを利用する方が多いと思います。賃貸との大きな違いの一つに、「住居費を払いきる」ことがあります。それは家賃の前払いと言えます。住宅ローンを払い終わって住居費「0」と、「5万」の家賃をずっと払い続けるのは、リタイア後の生活が全く異なることが想像できます。払い終わりがあることは安心感につながります。

住宅を購入するデメリット

お金が出ていく

住宅ローンを組むときに頭金を準備することがあります。昔言われていたのは購入物件の2割を頭金で準備しましょうということです。住宅ローンの借入額を小さくするためと、購入してすぐに売却する場合も赤字にならないようにという意味合いがありました。今では金利が低いこともあり、頭金なしで全額ローンを組む傾向が増えてきています。どちらにしても住宅購入に関する諸費用はかかります。新築の場合は物件価格の5%~7%、中古住宅の場合は10%程度です。

それまで貯めてきた資金が一気に出ていくので、キャッシュフロー表でもガクっとグラフが下がります。必要な資金とはいえ、お金が出ていくことになりますので、それ相応の準備と対処が大切です。

あれもこれも縛られる

住宅を購入し住み始めると、簡単に引っ越しができません。つまり、その場所に縛られることになります。購入を決めるときは、その地域のリサーチをしておいた方が良さそうです。住んでからわかるサプライズとか嫌ですよね。

もうひとつは、住宅ローンに縛られます。もしギリギリ払える額でローンを組むことがあったら、住宅ローンを支払うための生活になり、気持ちも縛られます。転職や独立の希望があったとしても、躊躇することも出てくるかもしれません。

事前にファイナンシャルプランナーに相談してくださると、お金に関して縛られないようにアドバイスができますから、FP相談はぜひとも活用していただきたいと思っています。

リフォーム前提

とくに中古住宅の購入の場合は、築年数によってリフォームすることが前提になることがあります。数年以内にまあまあな規模のリフォームが必要になることもあります。中古住宅購入はリフォーム計画も込みで検討した方が良いです。

マンション特有の費用負担

マンションを購入する場合は、住宅ローン以外の費用が必要になります。それは修繕積立金です。将来のマンション改修費用を住人で準備するというものです。住宅ローンと修繕積立金を含めて住居費として考えておきましょう。自家用車を保有しているご家庭は駐車場代が必要になるかもしれませんので、駐車場代も住居費に含めておきましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか? 住宅の購入か賃貸かをそれぞれのメリットとデメリットを考えてみました。私としては「リセールバリューがある中古住宅の購入」がメリットを最大化できると考えます。

それは、住宅ローンの借入額を抑えて、いつでも売却できる物件です。地方でよくある話の、田舎の実家の土地に家を建てるとか、そんなに便利な地域ではないけど親が購入済みの土地に家を建てるとか、そんな特殊事情での住宅購入はお勧めできないと考えています。「リセールバリュー」がキーワードです。これで空き家問題も解決できます。売却できますから、負の遺産にはなりません。そして将来的に売却の予定があれば、丁寧な生活ができるように思います。

それから、賃貸。私も購入した中古住宅に巡り合わなければ、ずっと賃貸だった可能性があります。賃貸住まいがそんなに問題だと思っていませんでしたし、妻の実家が空き家だからということもあります。余生は田舎に引っ込んで…みたいなこともチラッと思っていました。

私的には新築住宅購入は優先順位が低くなります。それは住宅ローンの借入額が大きくなる可能性が高いからです。それでも新築物件を購入する場合は、マンションも一軒家もどちらにしても「リセールバリュー」を意識した物件にしましょう。売却できるかどうかが大きなポイントです。

新築住宅、中古住宅、マンションを購入したら、いくらで売却できるかリサーチしましょう。近所の物件はいくらで売りに出てるかな、土地は更地でいくらかな、同じマンションで売りに出てるのはいくらかなと少し意識していると情報は目に留まります。いつでも売却して住宅ローンがチャラになると思えば心に余裕ができそうです。

【まとめのまとめ】いろいろな考え方があり、私の考えだけが正解とも言えません。都市部では購入より賃貸の方がメリットが大きいと思います。住宅を購入するかどうか検討するときは、建てたい住宅メーカーや貸したい金融機関だけに相談するのではなく、相談者のために話ができるファイナンシャルプランナーに相談してほしいと思います。ライフスタイルプラスの福田への相談をお待ちしております。

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Wrote this article この記事を書いた人

福田 智司

▶独立系ファイナンシャルプランナーとして、相談業務、セミナー講師などで活動しています。 ▶FBCラジオ ラジタス 第一木曜日 10:50~ 「FPふくちゃんのお金に関するエトセトラ」レギュラー出演中 福井で唯一?のラジオFPです ▶FPでIFAというポジションを活かした相談が得意 節約だけが家計見直しじゃない!を念頭に置いた相談を心掛けています。 ▶法人向けに企業型確定拠出年金の導入サポートを推進しております

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