FPが提案します!終活は片づけから?いいえ、“物語”からです

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「終活」と聞くと、どんなイメージが浮かびますか?
多くの人は、遺品整理や不用品の片づけ、お墓の準備などを思い浮かべるのではないでしょうか。

もちろんそれも大切なことですが、実際には片づけから始めようとすると、気持ちが重たくなり、手が止まってしまう方がとても多いんです。
「やらなきゃ…」と思っても、なかなか進まない。
それもそのはず、終活とは「人生の終わり」を見据えることになります。誰だって気楽に向き合えるものではありません。

だからこそ私は、終活の第一歩を「物語を振り返ること」から始めてほしいと考えています。

自分の物語を振り返ることから始めてみる

人生を整理する作業は、物を捨てることだけではありません。
これまでの歩みを言葉にし、自分なりに「こう生きてきた」と確かめることも、立派な整理です。

そのための方法が、私が提案する 「私物語」です。
自分自身の歩みを一冊の物語のように残していく取り組みです。一般的には自分史といわれるものです。

書き方に決まったルールはありません。
時系列でまとめてもいいし、エピソードごとに書き出しても構いません。
「自分らしい言葉で、自分のことを書いてみる」――これだけです。

私物語がもたらす3つの効果

私物語を書いてみると、思いがけない効果が生まれます。

① 自分の人生を整理できる
  「あ~、自分はこんなことを大事にしてきたんだな」と再発見することがあります。過去を振り返ることは、
   自分を肯定する作業にもなります。

② 家族への贈り物になる
  あらためて会話をしようと思うと、なかなか照れくさいものです。でも、文字にすると案外大丈夫だと思います。
  「お父さん、お母さんが若いころにどんな夢を持っていたのか」
  「ふたりはどんな出会いだったのか」
  家族にとっては、かけがえのない宝物になります。

③ 未来の準備が前向きになる
  自分史として私物語をまとめていくと、次のステップとして、いわゆる「終活」に入っていけると考えています。
  前向きに「ちゃんと準備していこうか」と進むと思いますよ。

過去を言葉にすることは、未来をどう歩むかを考えるきっかけにもなります。
残りの時間をどう大切にするか、そのヒントが自然と見えてきます。

このような効果が見込まれます。

何を書いても“物語”になる

私物語は「立派な業績」を書く必要なんてありません。
自慢話だっていいし、子ども時代の思い出を書いてもいい。

「両親の出会いをもっと聞いておけばよかった」
そんな後悔を抱く人も少なくありません。
そういうことなら、自分が書き残してあげるのもひとつの方法です。または、渡し物がたらいを書く機会をプレゼントすることもできます。

また、「親しい人に本当は伝えたかったけど、伝えられていなかった想い」
そうした気持ちも、文章にすれば届けられます。
書き残したことそのものが、立派なメッセージになるのです。

FPがインタビューするから深掘りできる

「でも、何を書いていいか分からない」
そう感じる方も多いでしょう。

そこで有効なのが、インタビュー形式です。
私自身、ファイナンシャルプランナーとしてご相談を受けるときに、たくさんの質問をさせていただきます。
「どんなことを大切にしてきましたか?」
「心に残っている出来事は?」
「家族との思い出で一番印象的なのは?」

質問されることで、思い出がよみがえり、自分でも気づかなかった気持ちが言葉になっていきます。
「そんなことが大事だったんだ」と、振り返るうちに新しい発見もあるものです。

自分ひとりで書くのは難しくても、会話を通じてなら自然に文章が形になっていきます。
インタビューの力は、私物語づくりを大きく後押ししてくれるのです。

特別な体験がなくても物語になる

「私の人生なんて、書くほどのことはない」と言う方もいます。
けれど、どんな人にもその人だけの物語があります。

毎日の暮らしの中にあった小さな喜び。
友人との何気ない会話。
家族と囲んだ食卓の思い出。

どれもが、世界に一つしかない大切なストーリーです。
読む人にとっては、その「普通」が温かい記録として響きます。

息子、娘が、当時の親の日常の様子を知ることで、
「そんなことを考えていたのか」
「あのときのことは、そういう意味だったのか」
「私の行動で、親はそんなことを心配していたのか」

大人になってから知ることで、理解できることも多いと思います。

エンディングノートや相続の前に「私物語」を

終活といえば、エンディングノートや相続準備を思い浮かべる方も多いでしょう。
もちろんそれも重要ですが、その前に「自分を振り返ること」をおすすめしたいのです。

私物語があると、エンディングノートに書き込む内容がより具体的になります。
相続の話を家族とする際も、「自分はこんな人生を歩んできたから、こういう選択をしたい」と納得感を持って伝えられます。

まとめ

終活は人生の終わりに備えることではありますが、その実態は自分を整理し、大切な人に伝えることです。

だからこそ、最初の一歩は片づけや数字の整理ではなく、もっと柔らかい作業――「物語を残すこと」から始めてみてください。

私物語は、あなた自身のこれまでを支え、肯定し、これから先を前向きにしてくれます。
それは家族にとっても、かけがえのない贈り物になると思います。

「自分の人生を、物語として残す」
そんな終活から始めてみませんか?

Wrote this article この記事を書いた人

福田 智司

▶独立系ファイナンシャルプランナーとして、相談業務、セミナー講師などで活動しています。 ▶FBCラジオ ラジタス 第一木曜日 10:50~ 「FPふくちゃんのお金に関するエトセトラ」レギュラー出演中 福井で唯一?のラジオFPです ▶FPでIFAというポジションを活かした相談が得意 節約だけが家計見直しじゃない!を念頭に置いた相談を心掛けています。 ▶法人向けに企業型確定拠出年金の導入サポートを推進しております

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