PBR1倍割れとは?投資のチャンスになるのか解説します

今年になってから、東京証券取引所が東証1部上場企業に対して、PBR1倍割れの企業は1倍以上になるよう改善を求めました。

これは何を言っているのでしょうか?投資する側の私たちに関係があるのでしょうか?段階を追って解説していきたいと思います。

PBRとは?

そもそも、PBRって何ですか?いきなり言われても経済用語かどうかすら分かりません。Price Book value Ratioの頭文字でPBRです。

これでも分かりにくい(笑)

日本語で言うと、「株価純資産倍率」となります。漢字だと分かりますか?株価を1株当たりの純資産で割った値です。だから何?という疑問はありますが、そのような計算式の数値がPBRということですね、ということで、まずは進めていきます。

PBR(株価純資産倍率)=株価÷依株当たりの純資産

1株当たりの純資産とは?

BPS(Book-Value Per Share)と言います。期末純資産額を期末株式数で割った数値です。

BPS(1株当たりの純資産)=期末純資産÷期末株式数

純資産とは?

何度か出てきた純資産とは、何のことでしょうか?

会社の総資産から負債額を差し引いたものが純資産です。

会社にとって完全にプラスの領域となります。

※参考:家庭で考えると、資産が住宅や自動車、負債はローン、これを差し引いたのが純資産です。ローンと資産、どちらが大きいですか?

PBR1倍割れとは?

それでは、そのPBRが1倍割れがどのような状態か確認しましょう。

PBRが1倍1倍割れとは、株式市場での企業の評価が、その企業の実際の資産価値よりも低い状態を指します。簡単に言えば、ある企業の株式が、その企業が持つ建物、機械、現金、および他の資産全体の価値よりも安く売られているということです。

例えば、ある企業のPBRが1倍割れの場合、株価が1株あたり1000円で取引されているとして、その企業が1株あたり1500円の資産を持っている場合、PBRは0.67倍です。つまり、株価が資産価値を下回っているわけです。

ポジティブな要因

割安感:PBRが1倍割れとなっている企業は、実態の資産価値よりも低い価格で取引されている可能性があり、割安感があるとされます。これは投資家にとって魅力的な要因となります

成長潜在力::低PBRの企業の中には、将来の成長潜在力を秘めているものもあります。改善策や新たなビジネス戦略により、収益性が向上する可能性があります。

つまり、投資対象として優位性があるということです。掘り出し物のような企業があるかもしれません。

ネガティブな要因

リスクがある:PBRが低い企業は通常、市場からの信頼を失っているか、業績が不振である可能性があります。そのため、リスクを十分に評価し、リスク許容度に合わせた投資判断を行う必要があります。

業績の不確実性:低PBRの企業が業績を改善するかどうかは不確実であり、成功を保証するものではありません。改善策の実施や市場状況の変化によって、投資価値が変動する可能性があります。

つまり、割安と見るかリスクがあると見るかの判断が必要になります。現時点のPBRだけでなく、連続性で見ていくことが重要です。

じつは半数の企業が1倍割れ

東証一部上場企業の約半数がPBR1倍割れとなっています。この数字を見ると、PBR1倍割れの企業すべての株価が割安であり、投資対象であるとは考えにくいとのでは?と思います。単純にです。(※すべては精査していません)

ただ、そのような状況であることから、投資環境は良好であると考えて良さそうです。いろいろと調べてみるのも楽しいかもしれませんね。

PBRが改善するとどうなる?

それでは、PBRを改善して1倍を超えるようになるとどのような現象が起きるのでしょうか?

改善するには、分母の1株当たりの純資産を小さくするか、分子の株価を大きくするか、ということになります。

そして、その方法は多くあります。

資産の売却や活用、売り上げの向上、コスト削減、利益率向上、どの企業も取り組んでいることでもあります。それを結果に結びつけるとPBRは1倍を超えてくるということです。私は企業コンサルでもありませんので、この程度の表面的な改善方法の紹介でご勘弁ください。

PBRが改善したら

株価上昇:企業が改善策を成功させ、収益性や成長潜在力が向上する場合、株価が上昇することが期待されます。投資家はより良い業績を評価し、投資対象となります。

投資信頼性の向上:企業の財務健全性や運営の透明性が向上すれば、投資家や証券アナリストの信頼性も向上するでしょう。これにより、企業の株式はより魅力的な投資対象となります。

長期的な影響:PBRが改善されることで、企業の長期的な成長潜在力が高まる可能性があります。これが持続的な株価上昇につながる可能性があります。株式を保有し続けるべき企業となります。

つまり、PBRが低いうちに見極めて株式を購入しておきたいということです。

どの株式を購入すればいいのか?

PBR1倍割れは、投資のチャンスであると考えて良さそうです。

ただし、PBRだけ気にすればいいのかというと、そうではありません。売上高経常利益率、PER(株価収益率)、過去の平均売上高成長率、この辺りの項目は気にしたいですし、他にも気にする項目があります。

証券会社のサイトで、条件を付けて株式を検索できる機能があると思いますので、やってみると楽しいですよ。ある程度絞り込んだら、そこからは各企業を個別にチェックしていくと、この企業が良いかな~と光って見えるかもしれません。

まとめ

PBRがどうとか言われても、なかなか分かりにくいところがあります。

いろいろな解説を聞いても、動画を見ても、結局のところどうしたらいいの?となるのも分かります。

いずれにしても、株式は長期保有を前提として考えた方が良いと思っています。今日明日は下がるかもしれませんが、5年後10年後は株価が上がっていると予想することが大切だと思います。

その中で、PBR1倍割れ、それが改善する、ということを注視していきましょう。


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