結局、NISAとiDeCoのどっちがいいの?ケース別でみてみよう。

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「そろそろ投資、始めたほうがいいのかな?」


そんな風に思いながら、NISAiDeCoという言葉だけが先に目に入って、
「結局どっちがいいの?」「なんとなく難しそう」とモヤモヤしたままの方も多いのではないでしょうか。

実はこの2つ、「どちらが優れている」というよりも、目的やライフスタイルによって向いている使い方が違うのです。


初心者の方が知っておきたい「NISAとiDeCoの違い」と「自分に合う選び方」を、わかりやすくまとめました。

投資にちょっと不安がある方も、まずは仕組みと特徴を知ることから始めてみませんか?

NISAとiDeCoの違いを確認

NISA、iDeCoともに、税制優遇であることが魅力です。ただし、その目的や使い勝手には違いがあります。それでは、ポイントを比較してみましょう。

比較するポイントNISAiDeCo
目的短期から中期の資産形成老後資金の積み立て
非課税の内容運用益が非課税運用益が非課税
所得控除
受取時も税制優遇あり
投資できる商品株式、投資信託、ETFなど幅広い投資信託、定期預金、保険商品
年間の投資上限額つみたて投資枠120万円
成長投資枠240万円
併用可で360万円
24万円~81.6万円
(職業による)
引き出しの自由度いつでも可能原則60歳以降
手数料基本無料(購入手数料がかかる場合がある)口座管理手数料(金融機関で異なる)
口座開設費用
利用条件18歳以上原則20歳~60歳
国民年金加入者

NISAは気軽に始められるし、必要なタイミングでいつでも売却、現金化できます。自由度が高いことが特徴です。一方で、iDeCoは税制優遇が大きく、老後に向けてじっくりつみたてることができます。

この違いを理解することが、あなたの資産形成の計画や成功にとって重要なポイントです。

どう選ぶのがいいのか?初心者が考えるポイント

それでは、実際にNISAとiDeCoをどう選べばよいのでしょうか?ここでは初心者の方が押さえておきたいポイントをお伝えします。

① いつまでにお金を使いたいか?

NISAは投資した資金を比較的自由に引き出せます。例えば、数年後に旅行資金や教育費として使いたい場合に向いています。また、思いがけず資金が必要になったときも対応できます。


一方、iDeCoは60歳まで原則引き出せないため、必然的に老後資金やセカンドキャリア資金としての積み立てとなります。

② 収入や税金の節約効果を考える

iDeCoは掛金が全額所得控除の対象になるため、税金を節約しながら積み立てができます。特に給与所得がある会社員や自営業者の方にメリットが大きいです。


NISAは非課税になるのは運用益のみなので、税制優遇の面ではiDeCoの方が強力です。

③ 投資できる金額や期間を確認する

NISAは年間の投資上限が比較的高めで、年間360万円(つみたて投資枠と成長投資枠を併用の場合)となっています。最短5年で1800万円の投資上限額を利用できるので、金利のある世界に資金を移動することも早くできます。

iDeCoは掛金の上限が職業などで決まっており、長期でじっくり積み立てるイメージです。

④ 投資経験やリスク許容度

初心者の方は、まずは少額から始めることが大切です。NISAは運用商品の選択肢が広く、途中引き出しもできるのでリスクを取りやすい環境です。やり直しができます。また、いつでもやめることができます

iDeCoは老後まで資金を拘束されるため、慎重な商品選びが必要です。また、iDeCoは一度走り始めたら止められません。

まとめると

「資金の使い道や期間、税金対策の優先順位」を考えて選ぶことがポイントです。
そして、どちらか一方だけでなく、両方をうまく組み合わせることも可能です。まずは自分のライフプランや収支を見直して、無理のない投資スタートを目指しましょう。

こんな人にはこれがおすすめ!ケース別アドバイス

投資初心者の方にも、それぞれのライフスタイルや目的に合った制度の選び方があります。ここでは代表的なケースごとに、おすすめの選択肢を紹介しますね。

ケース1:貯蓄感覚で無理なく資産を増やしたい人

「まずは少額から始めてみたい」「投資はちょっと不安だけど、将来のために少しずつ資産を増やしたい」という方には、NISAのつみたて投資枠がおすすめです。
投資できる商品は長期の積立に適した投資信託が中心で、非課税期間も無期限で安心して続けやすいのが特徴です。途中で引き出しも自由なので、急な出費にも対応可能です。

ケース2:税金をしっかり節約しながら老後資金を準備したい会社員や自営業者

毎月の掛金を所得控除にできるiDeCoは、特に税金対策を重視したい方に向いています。
長期で積み立てることで、運用益も非課税になり、さらに受け取り時にも控除があります。ただし、原則60歳まで引き出せないため、老後資金としての積立に適しています。

元本保証型の商品を選んだとしても、掛け金全額所得控除を受けることができるので、それだけでもメリットと言えます。

ケース3:数年以内にまとまったお金が必要になる予定がある人

例えば、子どもの教育費や住宅購入資金を準備している場合は、資金の引き出しやすいNISAが便利です。
非課税で運用でき、いつでも引き出せる自由度があるため、目的の時期に合わせて使えます。

ケース4:老後資金をメインにじっくり準備したい人

iDeCoは、強制的に長期積み立てができる制度なので、計画的に老後資金を作りたい方にピッタリです。
ただし、商品選びは慎重に。リスクを抑えたいなら元本確保型商品も検討しましょう。

ケース5:投資の経験が浅く、リスクに不安がある人

まずはNISAのつみたて投資枠で、リスクの比較的低い投資信託をえらんで積立から始めるのがおすすめです。
無理なく続けられる金額からスタートし、慣れてきたら徐々に投資額や商品を増やしていきましょう。

投資はお金の選択肢のひとつ。大切なのは自分に合った使い方

最後に、大切な注意点をお伝えします。

  • 投資はお勧めしますが、いつでも、だれでも「やったほうがいい」とは限りません。
    たとえば、生活費の予備資金、近いうちに使う予定のあるお金は、投資に回さず貯蓄として確保しておくことが大切です。
  • 「必ず儲かる」「これを買えば大丈夫」という言葉には要注意です。
    投資にはリスクがあるからこそ、分散や長期運用の考え方が大切です。「〇〇が儲かるらしいよ」ではなく、「自分が納得できる投資かどうか」を基準に判断しましょう。
  • 制度はお得でも、自分に合っていなければ逆効果です。
    iDeCoで60歳まで引き出せないお金が増えてしまって、生活がカツカツなんてことも。制度のメリットだけでなく「使い方」にこそ注意が必要です。
  • 人によって「安心」のカタチは違います。
    投資が向いている人もいれば、まずは家計管理や貯蓄をする方が安心な人もいます。大切なのは「まわりがやっているから」ではなく、自分のペースで選ぶことです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

あらためて、NISAかiDeCoかを考えてみました。

そうはいっても、どちらかひとつだけってことはありませんから、両方を活用するのが良いですよねと、身も蓋もない笑

最後にしっかりと伝えたいこと
NISA、iDeCoだから儲かることはない!ということです。

ちゃんと考えて、もしくは相談して、資産形成を始めてください。

「自分に合う選び方をもっと詳しく知りたい」
「投資の前に、まず家計のモヤモヤを整理したい」
そんな方は、お気軽にお声掛けください

Wrote this article この記事を書いた人

福田 智司

▶独立系ファイナンシャルプランナーとして、相談業務、セミナー講師などで活動しています。 ▶FBCラジオ ラジタス 第一木曜日 10:50~ 「FPふくちゃんのお金に関するエトセトラ」レギュラー出演中 福井で唯一?のラジオFPです ▶FPでIFAというポジションを活かした相談が得意 節約だけが家計見直しじゃない!を念頭に置いた相談を心掛けています。 ▶法人向けに企業型確定拠出年金の導入サポートを推進しております

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