投資信託、利回りで選んでいい?答えは「入口OK、出口NG」

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投資信託を選ぶとき、つい見てしまうのが「利回り(成績)」です。ランキングを眺めて、「これ良さそう」と思う。めちゃくちゃ自然な行動です。
でも同時に、こういう声もよく聞きます。

  • 成績が良かった投信を選んだのに、次の年は振るわなくて不安になった
  • いろいろ見すぎて決められなくなった
  • 気づいたら、乗り換えばかりで積立が続かない

結論から言うと、利回りで選ぶのはOKです。ただし入口としてです。
利回りを「決め手(出口)」にしてしまうと、迷子になりやすくなります。今日はこの整理を、投資信託向けに分かりやすくまとめます。

利回り(成績)って結局、見ちゃいますよね

投資信託の成績は、数字で見えて分かりやすい。だから見てしまう。これは悪いことではありません。
むしろ、投信選びの最初の段階で「どんな商品があるのかな?」と全体感を掴むには、利回りは便利です。

ここでポイントになるのが、利回りの役割です。

  • 利回りは 候補を拾うためのヒント にはなる
  • ただし、それが 正解の証明 にはならない

この違いを押さえると、情報の海で溺れにくくなります。

でも「利回り=正解」にすると迷子になりやすい理由

過去の追い風を追うことになる

利回りは過去の結果です。
良かったのは「その期間に追い風が吹いていた」可能性があります。追い風が止まれば目立たなくなることもあります。
過去のランキング上位が、次の期間も上位とは限りません。

リスクの大きさが見えにくい

利回りが高いものは、値動き(ブレ)も大きいことがあります。
「上がったときの数字」だけ見て選ぶと、下がったときの不安が想像以上で、続けられなくなる。これが典型的な落とし穴です。

乗り換え癖がつく(積み立てが続かない)

利回りを出口にしてしまうと、どうしても「今強いもの」に気持ちが持っていかれます。
すると、次の強い商品が出るたびに乗り換えたくなる。
積み立て投資は、続けた人が勝ちやすい仕組みなのに、結果として続けにくい行動を取ってしまうんですね。

結論:利回りは「候補出し」、出口は別にする

ここで今日の結論です。
利回り(成績)は入口OK、出口NG。
もう少し言うと、

  • 利回り=候補出し(スクリーニング)
  • 出口=中身(何に投資しているか)+コスト(確定情報)

この役割分担にすると、判断がスッキリします。

そして、前回のブログでお伝えしたフレーズもここで効きます。

コストは確定、利回りは不確定。
未来の成績は読めませんが、手数料は条件として確定します。だから候補が並んだら、確定情報(コスト)で比較して決めていく。これが合理的です。

※補足:個別株の場合は、企業の財務や成長性を見る「ファンダメンタル分析」が軸になります。一方、投資信託(特にインデックスファンド)では企業を当てるより「何に分散して、どんなルールで持つか」が重要です。今回は投資信託の選び方に絞った内容です。

迷わないための見る順番テンプレ(初心者向け)

ここからは、迷子にならないためのテンプレです。
この順番で見れば、情報が増えてもブレません。

① 目的・期間を決める

まず「何のために」「いつ使う可能性があるか」。
老後資金なのか、教育資金なのか、数年以内に使うお金なのか。
期間が長いほど、多少の上下があっても待てます。ここが土台です。

② 投資対象(タイプ)を決める

次に、投資先の方向性を考えてみます。
全世界、米国中心、国内中心、株式か債券か、あるいはバランス型か。
ここが決まると、候補は一気に絞れます。

③ 利回りで「候補出し」をする

ここで初めて、利回りを使います。
同じタイプの中で、候補を拾うためのヒントとして見る。
ランキングを見るなら、「同じカテゴリ同士で比べる」意識が大事です。違うものを混ぜると、比較がブレます。

④ 最終フィルターはコスト(確定情報)

候補が並んだら、最後にコストを確認します。
購入時手数料(ノーロードか)、信託報酬、必要なら信託財産留保額も確認します。
細かい、見えないコストは追いすぎなくてOKですが、「確定している不利は減らす」という発想は持っておくと安心です。

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⑤ 最後に整合性チェック(極端にズレてないか)

最後は、利回りを決め手にするのではなく、整合性チェックに戻します。
「極端にブレていないか」「同じカテゴリの中で違和感がないか」を見る程度で十分です。

まとめ

利回りに振り回されない人が、結局続くのだと思います。

利回りを見ること自体は悪くありません。むしろ、入口としては自然です。
ただし、利回りを出口(決め手)にすると、過去の追い風を追いかけたり、乗り換え癖がついたりして、積み立て投資が続きにくくなります。

今日の結論をもう一度。

  • 利回りは入口OK。役割は「候補出し」
  • 出口は「中身+コスト」
  • コストは確定、利回りは不確定

この順番を固定できると、情報が増えても迷いにくくなります。

Wrote this article この記事を書いた人

福田 智司

▶独立系ファイナンシャルプランナーとして、相談業務、セミナー講師などで活動しています。 ▶FBCラジオ ラジタス 第一木曜日 10:50~ 「FPふくちゃんのお金に関するエトセトラ」レギュラー出演中 福井で唯一?のラジオFPです ▶FPでIFAというポジションを活かした相談が得意 節約だけが家計見直しじゃない!を念頭に置いた相談を心掛けています。 ▶法人向けに企業型確定拠出年金の導入サポートを推進しております

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