ボーナスはいつから「楽しみ」から「埋め合わせ」に変わってきたのか

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夏のボーナス、もう出ましたか?これからですか?そもそもありますか?

ボーナスという言葉は良い響きですよね。

旅行、ちょっといい外食、子どもの教育費、住宅ローン、それとも貯蓄。人によって答えはまったく違うと思います。でも、ある転職サービスの調査を眺めていて、「これは数字以上のことを語っているな」と感じたデータがありました。今日はその話をしていこうと思います。

年代が上がるほど、ボーナスが「生活費」に消えていく

転職サービス「doda」が、社会人15,000人にボーナスの使い道をたずねた調査があります(2025年8月実施・複数回答)。このデータは昨年に実施されたものですが、ボーナスの使い道に関するこの種の調査としては最新のものです。

この中の「生活費の補填」、つまり、ボーナスを日々の暮らしの埋め合わせに使ったと答えた人の割合を、年代別に並べてみます。

  • 20代:19.8%
  • 30代:24.9%
  • 40代:32.1%
  • 50代:38.8%

きれいな右肩上がりです。年齢が上がるほど、ボーナスが「特別なお金」ではなく「生活費の足し」になっていく。50代になると、使い道のトップが「旅行・レジャー」ではなく、この「生活費の補填」に変わります。

20代のころは、ボーナスといえば旅行や趣味。それが年を重ねるごとに、少しずつ暮らしの中に溶けていく。この変化、なんとなく心当たりのある方も多いのではないでしょうか。

「出ていくお金」は、補填だけじゃない

もう一つ、同じカーブを描いている項目があります。「ローンや借金の返済」です。

  • 20代:7.8%
  • 30代:12.5%
  • 40代:19.3%
  • 50代:20.9%

こちらも年代とともに上がっていきます。住宅ローン、車のローン、教育ローン。50代の自由回答には「住宅ローンや自動車ローン、税金の支払いなど生活費の補填」といった声も実際に並んでいました。

補填も、ローン返済も、年代とともに増えていく。つまり50代というのは、ボーナスが入ってくる一方で、出ていく先も構造的に増えていく年代なのだと、数字が教えてくれます。

ボーナスは増えている。なのに、楽しみに使えない

ここで一つ、不思議なことに気づきます。

実は同じ調査で、ボーナスの支給額そのものは全年代で増えているんです。とくに50代は前回より大きく増えていました。

支給額は、ちゃんと増えている。なのに、補填もローン返済も増えている。入ってくる分が増えたはずなのに、それ以上に出ていく先が膨らんでいる。

物価が上がり続けるなかで、増えたボーナスの分が、楽しみではなく暮らしの埋め合わせに吸い込まれていく。「給料は上がった気がしないのに、出ていくものばかり増える」という、あの感覚。データの裏には、たぶんそういう現実があります。

「補填」という二文字の裏側

「生活費の補填」と書くと、なんだか無機質に聞こえます。でも、50代の方たちが実際に何に使ったのか、自由回答を読むと、その二文字の奥行きが見えてきます。

  • 「ほとんど生活費の補填に使い、残りは貯蓄型の年金保険や介護保険などに使った」
  • 「家のリフォーム工事費用や車の修理費用、実家への帰省の旅費」
  • 「一部は親への仕送りに、残りは趣味のスポーツ観戦に使った」

介護。親。古くなった家。自分たちの老後。そして、その合間にある、ささやかな楽しみ。

「補填」の二文字には、こうした50代特有の現実が、まるごと詰まっています。決して、無駄遣いの話ではありません。みなさん、必要なところに、ちゃんとお金を回している。

子どものいるご家庭では、教育費のピークを迎えている可能性が高いですよね。すべての負担が重なる時期とも言えるかもしれません。

「見直し」より、「区別」を

こういう話をすると、「じゃあ家計を見直さないと」という結論になりがちです。

でも、安易に、私はそこには着地させたくありません。

ボーナスを生活費の補填に回すのは、悪いことでも、負けでもありません。必要なものに、必要なお金を使う。それ自体は、立派な選択です。

問題は別のところにあります。それは、そのお金が「補填」になっていることに、自分で気づいて選んだのか、ということ。

ボーナスが年々、生活費と地続きになっていく。気づいたら、特別なお金のはずだったものが、いつのまにか毎月の暮らしの中に溶けている。自分で「これは補填に回そう」と決めたのか、それとも、なんとなく流されて、そうなっていたのか。ここは、案外大きな分かれ目です。

だから、おすすめしたいのは「家計を締めましょう」ではなく、一度、ボーナスを生活費から切り分けて眺めてみることです。

切り分けてみて、それでも補填に回すなら、それはあなたの選択です。胸を張っていい。でも、切り分けずにいると、選んでいるつもりが、ただ流されているだけ——ということも起こりえます。

「我慢より、選択を。」というのが、私がいつも大切にしている言葉です。締めることでも、ためることでもなく、自分で選ぶこと。そのために、まず「区別」から始めてみませんか。

一緒に、切り分けてみませんか

とはいえ、何が「補填」で、何が「自分で選んだ使い道」なのか。これを一人で切り分けるのは、案外むずかしいものです。

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出典:転職サービス「doda」「ボーナス平均支給額の実態調査【最新版】」
※ボーナスの使い道に関するデータは「ボーナスの使い道ランキング【最新版】」に基づきます。
調査対象:20〜59歳の正社員15,000人/実施期間:2025年8月1日〜8日/複数回答

Wrote this article この記事を書いた人

福田 智司

▶独立系ファイナンシャルプランナーとして、相談業務、セミナー講師などで活動しています。 ▶FBCラジオ ラジタス 第一木曜日 10:50~ 「FPふくちゃんのお金に関するエトセトラ」レギュラー出演中 福井で唯一?のラジオFPです ▶FPでIFAというポジションを活かした相談が得意 節約だけが家計見直しじゃない!を念頭に置いた相談を心掛けています。 ▶法人向けに企業型確定拠出年金の導入サポートを推進しております

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