幸せはいくらで買える? お金と幸福度の関係を見てみよう

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年収はいくらあったら幸せなのか?

皆さまの年収はどのくらいでしょうか?年収300万円の人はどれだけ年収が増えると幸せと感じますか?年収400万円の人は?500万円の人は?

年収と幸福度に関係性はあるのでしょうか?

有名な研究データがあります。ご存じの方もいらっしゃるかもしれません。

アメリカの心理学者ダニエル・カーネマン教授らによって2011年に発表されたデータによると、幸福度と収入は比例するが、年収7万5,000米ドルで幸福度はほぼ頭打ちになります。

この7万5000ドルは、現在(2022年10月)のレートは1ドル147円なので約1100万円、ちなみに2011年当時は超絶円高で1ドル75円を付けたので約562万円の年収となります。本筋からは外れますが、当時の円高も現在の円安も歴史的な相場となっています。

さて、話を戻しましょう。

日本にも内閣府による調査データがあります。「満足度・生活の質に関する調査」2019年の第一次報告書によると

  • 総合主観満足度と年収
  • 5.01点 100万円未満
  • 5.20点 100万円以上300万円未満
  • 5.68点 300万円以上500万円未満
  • 5.91点 500万円以上700万円未満
  • 6.24点 700万円以上1000万円未満
  • 6.52点 1000万円以上2000万円未満
  • 6.84点 2000万円以上3000万円未満
  • 6.60点 3000万円以上5000万円未満
  • 6.50点 5000万円以上1億円未満
  • 6.03点 1億以上

2000万円以上3000万円未満までは、年収が上がると満足度も比例して上がります。そこを超えると満足度は下降します。年収が高ければ高いほど幸せかというと、実はそうでもないらしいですね。

年収1億円以上の人より年収700万円の人の方が幸せと感じるんですね。年収1億円になる予定は今のところありませんが、年収1億円に到達したら「あの頃の方が幸せだったな~」と感じるのかもしれません・・・

この満足度調査は「総合主観」満足度です。年収が上がれば生活は豊かになることは間違いありませんが、年収が高くなるにつれて自分の時間が無くなる、家族との時間が取れない、100万円のソファーも慣れくれば安物も一緒など、いろいろなことが含まれてきます。

このデータは「満足度」となっています。「幸福度」とは違うかもしれませんが近いところにあると思います。幸福度の概念の話は控えますが、幸福度は、「年収」「貯蓄額」「健康」「住居」「家族」「仕事」などなど、他にもいろいろな要素が組み合わさってのことだと思います。

とは言え、年収が例えば100万円増えると、そこそこの問題が片付いて幸せだなと感じることもありますよね・・・

年収よりも貯蓄額?

年収が高くなっても、生活がギリギリだという人の話はよく聞きます。年収500万円の人が700万円になったら、生活水準が上がり経費が増えます。200万円の貯蓄が毎年増えることは無さそうです。

そう考えると、年収を高くするための努力(例えば、副業を始める、資格を取得するなど)は継続的にするとして、並行して貯蓄を増やす努力をするのが最善手ではないかと考えます。

貯蓄額がしっかりあると、資金不足で諦めることが減ります。安心感にもつながります。

病気の長期療養で仕事を休むことになっても、子どもが海外留学を希望しても、独立起業を目指す時も、貯蓄があれば対応できますし、諦めず実現できます。

貯蓄額の調査結果もあります。

世帯金融資産残高別の総合主観満足度 ※2019年 内閣府 「満足度・生活の質に関する調査」より

  • 総合主観満足度と資産残高
  • 4.98点 100万円未満
  • 5.63点 100万円以上300万円未満
  • 5.83点 300万円以上500万円未満
  • 5.90点 500万円以上700万円未満
  • 5.98点 700万円以上1000万円未満
  • 6.34点 1000万円以上2000万円未満
  • 6.54点 2000万円以上5000万円未満
  • 6.83点 5000万円以上1億円未満
  • 6.92点 1億円以上3億円未満
  • 6.43点 3億以上

1億円以上3億円未満までは、資産残高と比例して満足度も高くなります。それを超えると満足度は下降します。資産もあればあるだけ幸せかというとそうでもないことが分かります。実際に体感してみたいですが。

年収より資産額を増やすほうが簡単!?

満足度が高くなる年収3000万円を目指す、満足度が高くなる資産額5000万円を目指す、どちらが現実的でしょうか?

年収3000万円は会社員の場合、相当限られた人になります。経営する側にならないと難しそうです。

逆に資産額5000万円はいかがでしょうか。毎年100万円貯蓄すると50年、毎年200万円貯蓄すると25年で5000万円に到達します。難しいけどできそうじゃないですか?

年収3000万円より資産額5000万円の方が現実的に見えます。

例えば、「毎月8万円」「年利5%」「30年」

この条件で積み立てをしていくと、

  • 元金2880万円
  • 利息2675万1881円
  • 元利合計5555万1881円

このようになります。ちなみに、20.315%を課税されることも計算に入れています。30年の税額は約682万円となります。上記の5555万円は税引き後の金額です。

毎月8万円、年間96万円の投資となります。もし自分一人では難しくても、世帯で考えるといかがでしょうか?目指す価値はありませんか?

まとめ

幸せはいくらで買える?と聞かれると、年収3000万円になったら、資産額5000万円あると幸せは買えるようですよと回答することになるでしょうか。そこまでなくとも、年収で500万円以上、資産額で1000万円以上のゾーンに入ると満足度が大きくなると考えます。

そして、幸せになる選択肢を増やすためにも、年収アップ、資産額アップも大切です。さらに、ワークライフバランスを整えることで幸福度が高くなるのは間違いなさそうです。

「お金」と「幸福度」を皆さまはどのように考えますか?

ファイナンシャルプランナー福田としては、収入と支出、貯蓄と投資、このバランスを見直すことで幸福度が高くなるコースに乗ると考えます。「年収」「資産額」はあくまでも幸福度を構成する要素のひとつですから、他の要素は自分で準備するしかありません。

「幸せは自分で決める」「足るを知る」ということもあります。

皆さまの価値観で幸せを見つけていきましょう。

ライフプラン相談でそのお手伝いができると思いますので、いつでもお声掛けください。

相談のお申し込みはこちらから

 

 

Wrote this article この記事を書いた人

福田 智司

▶独立系ファイナンシャルプランナーとして、相談業務、セミナー講師などで活動しています。 ▶FBCラジオ ラジタス 第一木曜日 10:50~ 「FPふくちゃんのお金に関するエトセトラ」レギュラー出演中 福井で唯一?のラジオFPです ▶FPでIFAというポジションを活かした相談が得意 節約だけが家計見直しじゃない!を念頭に置いた相談を心掛けています。 ▶法人向けに企業型確定拠出年金の導入サポートを推進しております

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