その福利厚生は本当に必要なのか? 福井の中小企業が考えたいこと

この記事はだいたい 5 分前後で読めます。

福利厚生を整えたほうがいい。
そんな話を聞く機会は、以前より増えているように感じます。

ただ、中小企業の立場で考えると、そう簡単に割り切れないこともあります。
費用はかかりますし、制度を増やしたからといって、すぐに採用や定着につながるとも限りません。
実際に考える立場になれば、「本当に必要なんだろうか」と感じるのは、当然なことだと思います。

福利厚生は、何でも増やせばいいというものではありません。
形だけ整えても、会社にとっても従業員にとっても、あまり意味を持たないこともあります。

だからこそ大切なのは、必要か不要かを急いで決めることではなく、自社にとって意味のあるものになっているかを考えることではないでしょうか。
今回は、福井の中小企業が福利厚生を考えるときに、一度立ち止まって見ておきたいことを書いてみます。

「福利厚生は本当に必要か」と感じるのは自然なこと

福利厚生はコストとして見えるからこそ迷いやすい

福利厚生を導入することは、会社にとって経費の一つになります。
中小企業であればなおさら、限られた予算の中で何にお金をかけるかは、いつも簡単な判断ではないと思います。

人件費や設備、日々の運営に必要なお金がある中で、福利厚生にどこまでかけるべきか。
そう考えたときに、「本当に優先すべきことなのか」と迷うのは、自然なことだと思います。

福利厚生という言葉だけが一人歩きすると、良いものに見えやすいかもしれません。
でも、実際に会社を動かしていく立場で見れば、きれいごとだけでは済まない部分があるのだろうと考えます。

制度を増やしても、効果が見えにくいことがある

福利厚生は、採用や定着のために大切だと言われることがあります。
それ自体は間違いではないと思います。

ただ、導入したからといって、すぐに応募が増えるわけでも、離職が減るわけでもありません。
目に見える変化がすぐに出るとは限らないからこそ、「やって意味があるのか」と感じやすいのだと思います。

特に、周りの企業がやっているから、何かしないといけない気がするから、というところから考え始めると、なおさら判断が難しくなります。

担当者の負担まで考えると、慎重になるのは当然

福利厚生は、導入して終わりではありません。
従業員への案内や説明、必要に応じたフォローも含めて考える必要があります。

中小企業では、限られた人数の中で回していることも多く、担当者の負担まで含めると、思った以上にハードルを感じることもあります。
「良さそうではあるけれど、うちでちゃんと運用できるだろうか」
そう感じるのも、無理のないことです。

実際、形だけの福利厚生は意味が薄くなりやすい

他社に合わせて入れただけでは、自社の強みになりにくい

福利厚生を考えるとき、他社の事例を見ることは参考になります。
ただ、他社が入れているからという理由だけで取り入れても、自社にとって意味のある制度になるとは限りません。

会社の規模も違えば、従業員の年齢層や働き方も違います。
ある会社ではうまく機能している制度が、別の会社ではあまり活かされないこともあります。
東京で成立するビジネスが、私の地元福井では成立しないこともありますから。

福利厚生は、「あること」そのものよりも、自社にとってどういう意味を持つかのほうが大切なのだと思います。

従業員に伝わらない制度は、あっても使われにくい

会社としては整えたつもりでも、従業員にきちんと伝わっていなければ、制度は使われにくいままです。
特に、お金に関わる制度は内容が難しく感じられやすく、「よく分からないからそのまま放置」ということもあります。
デフォルト設定のまま、変更した方がいいけど放置、本当によくあります。

せっかく用意した制度が、従業員にとって身近なものになっていなければ、その価値は十分に届きません。
制度があることと、活用されることは、やはり別の話です。

導入して終わりでは、会社にも従業員にも残りにくい

福利厚生は、導入した時点で完成するものではありません。
その後、どう伝わり、どう受け止められ、どう使われていくかで意味が変わってきます。

一度案内して終わり。説明資料を配布して終わり。
制度はあるけれど、その後ほとんど話題にもならない。
そうなると、会社にとっても「入れた意味が見えない」と感じやすくなりますし、従業員にとっても「よく分からない制度」のままになってしまいます。

形だけで終わってしまうと、せっかくの取り組みも、少しもったいないものになってしまいます。
導入した制度にもよりますが、ランニングコストがかかるのも、もったいないですよね。

それでも福利厚生に意味が出る会社もある

会社として何のために整えるのかがはっきりしている

福利厚生がうまく機能している会社は、何のために整えるのかが比較的はっきりしています。
採用につなげたいのか、定着を意識しているのか、従業員の安心感を高めたいのか。
その目的が見えていると、制度の選び方もぶれにくくなります。

逆に、何となく必要そうだから、周りもやっているから、というところから始まると、あとになって迷いやすくなります。
制度ありきではなく、目的が先にあるほうが、意味のある福利厚生となるように思います。

従業員にとって分かりやすい形で届けられている

良い制度でも、難しくて伝わらなければ、使われないまま終わってしまうことがあります。
一方で、従業員にとって分かりやすく、必要なときに思い出せる形で届いている制度は、活用につながりやすくなります。

福利厚生は、内容だけでなく、伝え方も大切です。
ここは見落とされやすい部分ですが、実はかなり大きいところではないかと思います。

制度があるだけでなく、活用される前提がある

制度を整えるだけでなく、その後どう活かしてもらうかまで考えている会社は、福利厚生の価値が出やすいように感じます。
一度説明して終わりではなく、必要に応じて伝え直したり、理解を助けたりすることで、制度は少しずつ身近なものになっていきます。

福利厚生は、作ること自体が目的ではなく、従業員の安心や行動につながってこそ意味が出るものです。
その前提があるかどうかで、同じ制度でも受け取られ方は変わってくると思います。

まとめ:福利厚生は「増やす」より、「整える」が大切

福利厚生は、あればよいというものでも、不要だと簡単に切り捨てられるものでもないと思います。
形だけ整えても意味は薄くなりやすい一方で、会社としての目的があり、従業員に伝わり、実際に活用される形になれば、その価値は大きく変わります。
中小企業にとって大切なのは、福利厚生を増やすことそのものではなく、自社にとって意味のある形になっているかを考えることではないでしょうか。
必要か不要かの二択で急いで結論を出すのではなく、自社に合う形を考えて整理していくことが、結果として無理のない進め方につながるように感じます。

福利厚生を見直したいけれど、何から考えればよいか分からない。
自社に合う形を整理しながら考えたい。
そんな場合は、相談しながら一つずつ整えていくこともできます。

Wrote this article この記事を書いた人

福田 智司

▶独立系ファイナンシャルプランナーとして、相談業務、セミナー講師などで活動しています。 ▶FBCラジオ ラジタス 第一木曜日 10:50~ 「FPふくちゃんのお金に関するエトセトラ」レギュラー出演中 福井で唯一?のラジオFPです ▶FPでIFAというポジションを活かした相談が得意 節約だけが家計見直しじゃない!を念頭に置いた相談を心掛けています。 ▶法人向けに企業型確定拠出年金の導入サポートを推進しております

TOPへ
モバイルバージョンを終了