福利厚生を見直したいと考えたとき、企業型DCは有力な選択肢の一つとして挙がりやすい制度です。
実際に、従業員の将来に向けた支援や、会社としての福利厚生の充実を考える中で、関心を持つ中小企業も増えています。
でも、企業型DCは導入すればそれで十分、というものではありません。
大切なのは、その制度が自社に合っているか、従業員にきちんと伝わるか、そして実際に活用される仕組みになっているかどうかです。
福利厚生は、制度の名前だけで決めるものではなく、会社として何を大切にしたいのかを整理しながら考えていくことが大切です。
今回は、福井の中小企業が福利厚生を考えるときに、企業型DCを含めてどんな視点を持っておきたいかを整理してみます。
福利厚生を考えるとき、企業型DCだけで十分とは言い切れない理由
福利厚生は「制度名」より「何を解決したいか」を入り口にしたい
福利厚生を見直すとき、「どんな制度があるか」から考えたくなります。
もちろん制度を知ることは大切ですが、それより先に考えたいのは、会社として何を整えたいのかです。
たとえば、採用につなげたいのか、定着を強めたいのか、従業員の安心感を高めたいのかなど、整えたいこと、目的はさまざまあります。
同じ「福利厚生を見直したい」という言葉でも、会社によって目的は違ってくるのです。
だからこそ、まずは制度名から入るのではなく、何を解決したいのかを整理することが大切です。
企業型DCは有力な選択肢だが、万能ではない
企業型DCは、福利厚生の一つとして魅力のある制度です。
将来に向けた資産形成を支える仕組みとして、従業員にとっても有益な制度だと考えています。
ただ、どの企業にも同じように合うとは限りません。
会社の規模、従業員の理解度、社内での伝えやすさなどで、その企業にとって有効かどうかが変わってきます。
良い制度かどうかと、自社に合う制度かどうかは、同じではありません。
そこを分けて考えることが大切です。
ポイントは、自社に合った形になっているかどうか
福利厚生は、他社が入れているからとか、最近人気があるからといって導入するものではなく、自社に合った形で機能するかどうかが重要です。
たとえば、制度を導入しても社内で説明しきれない、従業員がよく分からないままになってしまう、という状態では、せっかくの制度も活かされにくくなりまし、よくあることです。
福利厚生を考えるときは、制度そのものの魅力だけでなく、
「自社の従業員にとって理解しやすいか」
「社内で無理なく運用できるか」
まで含めて見ることがポイントです。
福井の中小企業が福利厚生を見直すときに、まず整理したいこと
採用や定着につながる制度にしたいのか
福利厚生を見直すきっかけに、人材確保や定着への課題があるのだと思います。
その場合は、制度を増やすこと自体よりも、求職者や従業員にとって魅力として伝わるかを考える必要があります。
制度があっても、その価値が伝わらなければ、採用や定着にはつながりにくいものです。
会社としてどんな魅力を打ち出したいのかを整理しておくと、福利厚生の考え方もブレにくくなります。
従業員の安心感や満足度を高めたいのか
福利厚生を考えるとき、採用だけでなく、今いる従業員が安心して働けるかどうかも大切な視点です。
お金に関する制度は、内容そのもの以上に
「会社が自分たちのことを考えてくれている」
「この会社に勤めていれば、家族の生活も安心」と感じてもらえることに意味があります。
そのためには、制度をただ導入するだけではなく、従業員にとって分かりやすく、身近に感じられる形で整えることが重要です。活用しやすい状態であることです。
満足度を高めたいのか、安心感につなげたいのかを意識するだけでも、選ぶ制度や伝え方は変わってきます。
制度を作るだけでなく、使われる状態を目指したい
福利厚生は、作ることが目的になってしまうと、実際には使われないまま終わってしまうことがあります。
特にお金に関する制度は、内容が難しく感じられやすいため、導入しただけでは十分に活用されないことも少なくありません。説明資料を読んでも理解できないことも、よくあります。
私のところにも、「これってどういう意味?」と説明を求められることもあります。
だからこそ、制度を作るかどうかだけでなく、
「実際に使われる状態まで目指すのか」
を最初に考えておくことが大切です。制度の選択、運用まで変わってくると思います。
企業型DCは「選択肢の一つ」として考えると活かしやすい
企業型DCが合いやすい企業もある
企業型DCは、福利厚生の選択肢として前向きに検討しやすい企業もあります。
たとえば、従業員の将来への備えを支えたい、福利厚生の質を高めたい、長く働きやすい職場づくりにつなげたい、という考えがある企業にとっては、有効な制度になると考えています。
働いている現在から、定年を迎えるところまで、従業員自身が考えやすくなるという効果もあります。
実際、会社としての考え方や従業員に合えば、福利厚生の一環として意味のある仕組みになります。
ただし、導入すれば十分というわけではない
ただ、企業型DCは導入した時点で価値が完成する制度ではありません。
制度があっても、従業員がよく分からない、必要性を感じられない、内容が難しくてそのままになってしまう、ということは十分起こりえます。
導入したこと自体をゴールにしてしまうと、会社としては整えたつもりでも、従業員には十分届いていないというズレが生まれやすくなります。
しかも、「やっぱりやめた」と簡単にいかない制度でもあります。
制度の前に「どう伝え、どう活用してもらうか」まで考えたい
企業型DCを考える際には、制度設計や社内での伝え方など、細かく考える必要があります。
ただ今回は制度の細部ではなく、福利厚生全体をどう考えるかを説明してきました。
そのうえで大事なのは、制度そのものより、どう伝え、どう活用してもらうかまで見ておくことです。
制度を入れる前から、その後の説明や理解の支援まで視野に入れておくと、導入する価値が上がってくると思います。
福利厚生で本当に大切なのは、従業員に伝わり、活用されること
制度があっても、伝わらなければ使われにくい
福利厚生は、内容そのものが良くても、従業員に伝わっていなければ活用されにくくなります。
とくに企業型DCのようなお金に関する制度は、言葉だけでは難しく感じられやすく、十分に理解されないままになってしまうこともあります。投資経験が少ないと言葉の解説から必要になってきます。
会社としては整えていても、従業員から見ると「よく分からない制度」になってしまえば、その価値は届きません。
専門家が難しく解説する、あまり理解できていない会社の担当者が説明する、これでは到底伝わらないと思っています。
一度説明して終わりでは、定着しにくい
制度の説明を一度行っただけで、十分に定着するとは限りません。
働き方や生活状況が変わる中で、従業員の受け止め方も変わっていきますし、最初は関心がなかった人が後から必要性を感じることもあります。
そのため、福利厚生は「説明したから終わり」ではなく、継続的に伝えていく視点が大切です。
解説動画を見ておいてください、これも弱いと思っています。
とある企業では、集中的に従業員向けにプロモーションする月間というものを設定してあると、聴いたことがあります。それもいいなと思います。やたら目にする期間があって、それなら聞いてみようとなるかもしれません。
投資教育やフォローがあると、制度は活かされやすくなる
制度を活かすには、継続的な投資教育や、必要に応じたフォローがあることが役立ちます。
従業員が制度を理解し、自分ごととして受け止められるようになると、福利厚生としての価値も高まりやすくなります。
定期的に説明会をする、勉強会をする、セミナーを受講する、相談できる窓口がある、これが理想的だと思います。
ライフスタイルプラスの法人向け支援でも、制度導入だけでなく、投資教育や従業員向けのフォロー、継続的な伴走を重視しているのはこのためです。
自社に合う福利厚生は、制度比較より「整理」から始めるほうが進めやすい
正解は一つではない
福利厚生には、これが絶対に正解という一つの形があるわけではありません。
会社の規模や状況、従業員の年齢層、課題感によって、合う形は変わります。
だからこそ、制度を入り口として比較検討するより、自社にとって何が必要かを見ていくことが大切です。
制度選びの前に、目的と伝え方を整理したい
制度を選ぶ前に、
何を目的にするのか、誰にどう伝えるのか、導入後にどう活用してもらいたいのか。
そこを整理しておくと、制度選びも進めやすくなります。
福利厚生は、導入そのものよりも、その後にどう機能するかが大切です。
その意味でも、最初に整理する時間には大きな意味があります。
まずは「自社に合う形」を相談しながら整えるのも一つの方法
福利厚生を見直したいと思っても、何から考えればよいか分からないことは少なくありません。
企業型DCを含めて制度を比較する前に、まずは自社に合う考え方を整理するところから始めるのも一つの方法です。
制度を入れることを急ぐのではなく、会社に合った形で、従業員に伝わり、活用される状態を目指して整えていくことが、結果として無理のない福利厚生づくりにつながります。
まとめ
企業型DCは、福利厚生の一つの選択肢として前向きに考えやすい制度です。
一方で、本当に大切なのは、制度を入れることそのものではなく、自社に合っているか、そして従業員に伝わり、活用される形になっているかどうかではないでしょうか。
福利厚生を考えるときは、制度の比較だけを急ぐよりも、まずは会社として何を大切にしたいのかを整理することが、結果として進めやすさにつながります。
福井の中小企業で、福利厚生や企業型DCについて「何から考えればいいか整理したい」と感じたときは、相談しながら一つずつ整えていくこともできます。
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Wrote this article この記事を書いた人
福田 智司
▶独立系ファイナンシャルプランナーとして、相談業務、セミナー講師などで活動しています。 ▶FBCラジオ ラジタス 第一木曜日 10:50~ 「FPふくちゃんのお金に関するエトセトラ」レギュラー出演中 福井で唯一?のラジオFPです ▶FPでIFAというポジションを活かした相談が得意 節約だけが家計見直しじゃない!を念頭に置いた相談を心掛けています。 ▶法人向けに企業型確定拠出年金の導入サポートを推進しております