ファイナンシャルプランナーの収入は?検証してみよう

そもそも、ファイナンシャルプランナーって何ですか?

ファイナンシャルプランナーはここ数年で一般的に認知されるようになっており、資格としても有効だという認識になってきました。ファイナンシャルプランナーの資格取得を推奨している大学もあります。

ファイナンシャルプランナーの資格には、国家資格の「ファイナンシャルプランニング技能士1級・2級」日本ファイナンシャル・プランナーズ協会の「AFP(アフィリエイテッド・ファイナンシャル・プランナー)」「CFP®(サーティファイ・ファイナンシャル・プランナー)」があり、CFP®は上位資格で国際資格です。どなたでも受験でき、しっかり勉強と対策をすれば独学で合格することもできます。令和3年現在、私はAFPでCFP®は受験中ですが、独学で取り組んでいます。

少々ややこしいのは、ファイナンシャルプランナーは資格が無くても名乗れるということです。経営コンサルタントも同様ですが。

「ファイナンシャルプランナーです、CFP®です。」とか、「ファイナンシャルプランナーです、技能士の2級です」というようにファイナンシャルプランナーであるというエビデンスとして有効です。

そんな、ファイナンシャルプランナーはどのように稼いでいるのでしょうか。私のことも含めて知りうる情報で検証していきます。

ここでは、独立系ファイナンシャルプランナーを想定しています。

FPの教科書に書いてある収入源の種類と内容、そして相場

ファイナンシャルプランナー(以下FP)の収入源は相談業務、セミナー、執筆などです。ひとつづつ解説していきたいと思います

 相談業務

FP業務の王道です。家計相談を中心に、教育資金、住宅購入資金、老後資金など、人生において大きな資金が必要な場面が何度かありますが、その資金を準備できるかどうか「わからない不安」を「見える化して対策」し「わかって安心」を目指す相談です。

家族の状況や、収入と支出、現在の貯蓄残高、そして希望するライフイベントなど相談者の現状と理想の人生をヒアリングしていきます。そして、その理想の人生を実現できるのか、現実的にどうか、対策すれば叶うのかを検討しいくつかのパターンを提示します。対策が必要な場合は実行支援まで対応することができます。

ライフプランを作成する計算ソフトがあって、ヒアリングした情報を入力しキャッシュフロー表を作成します。家計が破綻するかどうかをグラフで表示され、確認することができます。実際、私も相談する皆さまにキャッシュフロー表を作成しお渡ししております。ボリュームはA4で30ページ前後になります。

相談料は1時間5000円~10000円が多くのFPが設定している価格帯です。ライフプラン、キャッシュフロー表を作成する場合は別途費用が掛かることが多いです。割安で引き受けてくれるFPもいらっしゃいますし、思ったより高額というFPもいます。

セミナー講師

企業や団体から講師を依頼され、お金に関するセミナーを対応します。

依頼されるテーマは、「老後資金」「相続問題」「教育資金(奨学金)」など多岐にわたります。住宅メーカーや不動産業者などから顧客向けのセミナーを依頼されることもあります。

講師料はFPの知名度で相当な幅があります。体感としては、2時間3万円~5万円、低い設定だと1時間1万円というところです。時給が高いと感じるかもしれませんが、資料作成の時間を含むとそれほど高額にはなりません。少々高めの2時間10万円はよくある範囲です。同じ資料、同じ内容で全国を回ることができるFPは、さらに効率が良くなります。

執筆業務

マネー誌、サイトなどからの執筆依頼、あるいは書籍の出版をされているFPもいます。投資、生命保険、不動産、相続など内容は多岐にわたり、それぞれ得意なFPが依頼を受けています。文字単価で数をこなすFP、実績もあり指名される高単価のFPとそれこそ幅があります。近年、iDeCoやNISAなど資産運用が注目されており、FPへの執筆依頼は増加しています。

 現実のFPのよくある収入源とは

相談、セミナー、執筆を有料で引き受けるFPがいる一方で、無料で引き受けるFPがいます。そのようなFPの収入源はなんでしょうか。考えてみたいと思います。

無料相談をする

ご想像の通り、相談のあとに販売があります。多くは生命保険や金融商品です。入口の相談は無料ですから、生命保険などの契約をしないと完全にただ働きです。相談を申し込むとクオカードがもらえるという話も聞いたことがあります。もしかしたら、相談を申し込んだ見込み客(FP目線)リストを購入しているのかもしれません。推測ですが。

住宅メーカーでもよくあります。住宅購入希望者が住宅ローンを組むにあたり、住宅メーカーの営業社員から家計を見直すFPを紹介されます。収入と支出から検討し、借り入れできる住宅ローンを組むための家計改善を相談し、その手段の一つとして生命保険の見直しがあります。住宅購入の相談なのに生命保険の見直しになりますが、家計見直し相談ができるので結果的にこれはOKということでしょうか。気になるのは、住宅ローンが「借り入れ可能額」と「返済可能額」が取り違えてないか?ということです。

ここ数年は、終活セミナー(無料)も多く見ます。相続は大きなお金が動きますから、相続発生前にコンタクトを取りたいのです。

投資系の無料相談も増加しています。不動産投資、FXなどさまざまです。無料相談の前に無料セミナーがあり、そこからの誘導となるようです。

いろいろ申し上げましたが、無料には必ず裏があるということです

無料セミナー

「女性のためのマネーセミナー」参加費無料・ドリンク、ケーキ付「知らないと損!マネーセミナー」参加費無料、このような広告を見かけます。これも、無料相談と同様、生命保険や金融商品がセットでついてきます。会場費、広告費、資料作成などの経費は掛かりますが、参加者は無料となると、費用を回収し利益を出すには生命保険などの販売です。そのセミナー参加者から何名の契約が取れると採算が合うのでしょうか。ただし、生命保険の見直しを検討している場合は、ケーキ食べてお茶飲んで、生命保険の相談ができるとちょうどいいかもしれません。

無料の執筆

これは、実績作りが大きいです。あの雑誌に寄稿する、新聞に寄稿する、これは名前を売るチャンスですし、実績作りにピッタリです。私的にもノーギャラ上等!と思います。それと、担当者との貸し借りがあり、それで引き受けることもあります。また、無料で読める有料級の記事を書くことで、オファーが来るかもしれません。

ちなみに無料で書いた私のこの記事は全く有料級ではありません・・・

まとめ

FPの収入は、フィー(報酬)とコミッション(手数料)で分かれます。フィーはFPの教科書に書いてある収入で、コミッションは生命保険や金融商品などの販売手数料です。フィーで成立しているFPは一部で、多くはコミッション収入に頼ります。FP先進国のアメリカではフィー収入で活躍しています。預かり資産の〇%をフィーとして受け取る、資産運用のポートフォリオ(投資先の組み合わせ)を組んでフィーを受け取るなどです。日本のFPもそんなに遠くない将来、アメリカのFPのようになるかもしれません。日本の先進的なFP会社がフィービジネスに取り組んでいますし、生命保険や金融商品の販売手数料が年々減少している現状からも、そのように予想します。あとは、それがいつ頃かということです。

最後になりますが、FPの教科書というものはありません(笑)あくまでイメージです。

モバイルバージョンを終了