大学進学資金のどう準備をするか その手順を福井のFPが解説します

春は進学、就職など人生の節目になる季節でもあります。

希望通りか、そうでないか、いろいろあると思います。

そのうちのひとつに大学への進学があります。

ウチの次男がこの春に大学入学するのですが、費用については心配しかありません・・・

もっと早く、もっと想定して準備しておくべきだったと思っても、現時点では手遅れです。

ギリ足りる、なんとかなる、というところですが、ブレが出るとショートする可能性も含んでいます。

あなたには、そうならないよう準備していただきたいと思い、大学資金準備の手順を紹介していきます。

大学資金準備の手順とは

基本的には、ゴールベース・プランニングの考え方になります。

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大学資金準備のステップは4つです

  1. 目標を設定する
  2. 現状を把握する
  3. 資産形成計画を作成する
  4. 実行する

これだけで、結構シンプルなのです。

A:いつまでに B:いくら準備する C:いくら積み立てる D:何%で運用するか

この4つの項目を決めていきます。

それではひとつづつ見ていきましょう

大学資金準備ステップ① 目標を設定する

まずは、目標設定です。

先ほどの、A:いつまでに B:いくら準備する の項目を決めていきます。

これは、お子さまの目標とする大学、学部によって異なります。ご家族の事情もあると思います。

A:いつまでに

この項目は、お子さまの年齢から明確に決まります。

高校3年生を期限として、何年後か決まってきます。推薦などで高校3年生の夏に進学先が決まると、入学手続き、それに伴う支払いも思ったより早めになる可能性もあります。

1年前倒しの目標設定を考えることも検討していきましょう。

B:いくら準備する

国公立、私立で大きく異なります。

国公立大学の学費は、2023年現在、年間535,800円、4年で2,143,200円となります。その他、入学金が必要になります。

4年分の授業料を目標とする場合は、入学金を含めて250万円となります。

このように決めていくのですが、お子さまの希望する大学、学部が決まっているのであれば、その学費を確認して目標に設定します。

お子さまがまだ小さく、希望の進学先など決まっていない場合は、親として見込みを考えてみます。国公立一択とするのか、私立文系・理系も見越した授業料を目標とするのか。

また、仕送りが必要な場合も考えられます。授業料以外に仕送り分を積立目標に含むかどうかも考えてみると良いと思います。

思いのほか、金額が大きくなるかもしれませんが、ここでは希望額を目標設定としておきます。

大学資金準備ステップ② 現状を把握する

ここでは、C:いくら積み立てるの項目を決めていきます。

現在のご家庭の収入と支出から、いくら積み立てることができるのか確認します。

毎月決まった額を銀行で定期預金している、一か月生活して残金を預金に回す、いろいろあると思います。

ここでは、ゴールベース・プランニングをしていこうという話ですから、残金で積み立てます!ではちょっと寂しい。

毎月の収支の確認

毎月どれだけ使っているのかは、家計簿をつけている人は把握できていると思います。

家計簿をつけていない人は把握できていないかもしれませんが、収支は足りている、成立しているということなので、心配することはありません。

積み立てを始める前に、家計簿のようなもの、きっちりでもなく1000円単位での把握でも良しとする支出確認をします。

家賃、住宅ローンなどの住居費、食費、外食費、保険料、税金、自動車関連費、お小遣いなど、項目ごとに把握できるようにします。

計算した残金より実際の残金がづくないのであれば、使途不明金が存在します。使途不明金というとドキッとしますが、知らないうちに使ってしまっているお金ということです。

このざっくり家計簿は、一か月の支払いの領収証やレシートをすべて保管して見直すことで確認することができます。銀行の口座引き落としと併せると全体を把握することができます。

現状を把握することで、毎月の積み立て資金を確保しましょう。

大学資金準備ステップ③ 資産形成計画を作成

いよいよ、積み立ての計画を作成します。

ステップ①と②から、どのように資産形成するのか考えていきます。

  • 積み立ての目標額
  • 積み立ての期間
  • 積み立てする額

この3項目から、D:何%で運用するかが決まってきます。

例えば・・・

15年後に500万円を積み立てる目標を決めたとします。

毎月積み立てできるのは2万円の場合、そのまま積み立てる(金利0%)と15年(180ヵ月)で360万円となり、目標の500万円には届きません。

金利3%で運用できる場合は、4,525,032円となり、いい線いきましたがショートします。

金利5%で運用できる場合は、5,297,416円となり、目標達成できます。

 

毎月2万円積み立て 15年後
金利0% 360万円
金利3% 4,525,032円
金利5% 5,297,416円

積み立てするときの金融商品、投資信託は一つにしないといけないことはありません。複数の投資信託などでリスク分散することも大事です。全体として目標リターンを目指します。

大学資金準備ステップ④ 実行する

A:いつまでに B:いくら準備する C:いくら積み立てる D:何%で運用する すべて決まったら実行します。

何%の運用が必要かで、投資先を考えていきます。割と安全にいけるのか、リスクを取らないと目標到達できないのかを検討します。

自分で決める

ネット上に情報は多くあります。ネット記事も多いですし、動画サイトでも多くの情報を取ることができます。雑誌や書籍も資産形成に関するものが多く並びます。

いろいろと見比べて、情報を精査しながら、これだと決めてスタートしましょう。

プロに相談する

これも、ネットに頼ることになるかもしれませんが、相談できる会社、人を検索して、この人かなと決めて相談です。

直接会える距離の人、WEBでのオンライン面談対応の人、ご希望で選んでいただければ良いと思います。

その人、会社のサイトを見ることで、特徴が分かれば安心して相談できそうです。

ちなみに、ライフスタイルプラスでは、投資信託での積み立て投資を中心に置いています。

見直しも必要

積み立てが予定通りに進んでいるか、投資のリターンは目標に対して適切かなど、状況に応じて調整を行いましょう。

状況が悪く改善しそうにない場合は、金融商品の見直しが必要です。複数の投資信託で運用している場合は、比率を変更することもありますし、ファンド自体を変更することもあります。

ちょいちょい売買しているとリターンが取りにくいですし、場合によってはコストがかかることもありますので、注意が必要です。基本的には長期の視点で見ていきます。

ステップの順番の注意点

ここまで解説してきて、順番はどうでもいいという話をします。

A:いつまでに B:いくら準備する C:いくら積み立てる D:何%で運用するか

この4項目は、3つ決まればOKです。残りのひとつは必然的に決まります。

「A:いつまでに」これは決めやすいですね。期限はまず決まります。

目標額、積み立て額、何%運用か、この3つはお互いに影響するので調整していきます。

場合によっては、目標額というより、結果的な「到達額」になるかもしれません。目標額には届かないが、現状できるとしたらこの金額までしか手が届かないという状況です。積み立て期間が短いと金利が15%、20%必要になるケースです。

大学資金の準備ができない

大学資金が準備できない可能性もあります。資産形成に取り組んだけど不足してしまう、目標に届かない計画になってしまう、さまざまなケースがあると思います。

それでも、大学進学する場合は、どのように解決しましょうか・・・

いくつかピックアップします

教育ローンを利用する

足りなかったら借りるということです。

教育ローンは、親が借主です。お近くの金融機関、日本政策金融公庫などで相談できます。

奨学金の利用

こちらは、子ども本人が借主です。毎月振り込まれて、卒業後から返還が始まります。(日本学生支援機構は返済ではなく返還と言います)

奨学金は、日本学生支援機構の金利無しの第一種、金利ありの第二種、自治体や企業の奨学金制度、または財団などの奨学金制度があります。さらに、大学独自で奨学金制度が用意されていることもあります。

返済しなくてもよい給付型奨学金もあります。

奨学金は、普通に進級しないと打ち切りがありますので、ちゃんと大学に行って単位を取得してください。

授業料免除を勝ち取る

大学を選択するときに、偏差値が重要ですが、授業料免除の特待生制度があるかどうかで選択することも考えられます。

倍率も高いですから、慎重に検討してください。

特待生は、子ども本人のやる気と本気度にかかってくるので、親がどうこう言えないかもしれません。

まとめ

大学進学資金の準備をゴールベース・プランニングの視点からまとめてみました。

他の目標設定でも同様です。住宅購入資金、リフォーム資金、老後資金など、それぞれ目標設定して実行していきます。

目標が複数あると、一時期に積立金が大きくなることも予想されます。

それは、ライフプランを見ながら現実的な積み立て計画を整える必要があります。

じつは、私福田の得意とするところです。ライフプランと資産形成を馴染ませることができると、負荷を抑えて積み立てを継続することができるようになります。

大学資金の準備が整わなくても、あきらめる必要はありません。奨学金制度がありますし、給付型も充実してきています。もっとお願いしたいところはありますが・・・

奨学金を抱えて社会に出ますが、今は奨学金返還支援制度などもあります。

ただし、奨学金の利用は返還が伴いますので、いろんな場面で制約というか制限が出てくる可能性があります。

相談の申し込みはこちらから

 

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