選べない私にモヤモヤするあなたへ 〜選択のパラドクスと、その乗り越え方〜

選べない私にモヤモヤするあなたへ 〜選択のパラドクスと、その乗り越え方〜
この記事はだいたい 4 分前後で読めます。

つい先日、ふと思い出したご相談がありました。
数年前、ご夫婦で新築住宅をご検討されていた方からのご相談です。

 結婚して賃貸に住んでいましたが、子どもの小学校入学前に新築住宅を建てることにしました。一世一代の買い物ですから真剣に情報を集めて、どこの会社に依頼しようかと検討していましたが・・・・・


「会社を決めるだけで疲れてしまって、間取りの打ち合わせにはもうエネルギーが残っていませんでした(笑)」と。

笑い話に聞こえるかもしれませんが、これ、実はとても共感できるお話なんです。選択のパラドクスにハマっていますね。

選択のパラドクスって?

選択肢がたくさんあると、本来は嬉しいはずなのに、逆に決められなくなってしまう。
しかも、ようやく選んでも「他のほうがよかったのかも」と思ってしまうこともありますよね。

この現象は「選択のパラドクス(paradox of choice)」と呼ばれています。

たとえば

  • スーパーでヨーグルトの種類が多すぎて、どれを選べばいいかわからなくなる
  • 投資信託の比較をしようと思ったけど、似たような商品がずらっと並んでいて全然きめられない
  • 「家計簿アプリを使ってみようかな」と思ったのに、アプリストアを見てあまりの種類の多さにそっと閉じた

そんな経験、ありませんか?

決めるって、エネルギー必要なんです

「優柔不断だから決められない」わけじゃないんです。
むしろ、ちゃんと考えたい人ほど、決断にはエネルギーが必要となります。

選ぶということは、他の選択肢を手放すことでもあるからです。
しかも、それが将来やお金に関わることならなおさらです。他をやめて、これに決めていいのか?という感覚です。

選択肢を減らすって、実は前向きなこと

もし今、何かに迷っているなら、まず「選択肢を減らす勇気」を持ってみてください。
すべてを見比べてから決める必要はないし、完璧な選択ではなく、納得できる選択をゴールにしてみるのも一つの方法です。

私自身、相談を通じて「お金の話がしたかったんじゃなくて、決めるための整理が必要だったんですね」と言われることがあります。
誰かと話すことで、自分の基準や優先順位が自然と見えてくるのだと思います。

ChatGPTに整理を手伝ってもらうという方法もある

最近では、ChatGPTのようなAIに相談してみるという方法もあります。
たとえば、こんなふうに聞いてみるとどうでしょう。

「つみたてNISAの投資先が多すぎて迷っています。初心者にとって選びやすいものを3つに絞って教えてもらえますか?」
「住宅ローンを選ぶとき、どんな基準を優先すればいいですか?」
「家計簿アプリを選びたいけど、続けやすさ重視でおすすめはありますか?」

ざっくりでもOKなんです。
質問を投げかけてみると、自分が何にこだわっていたのか、逆にどこは気にしなくてよかったのか、そんなことが見えてくることもあります。質問を重ねることで、自分の考えも整理されていきます。

選択肢を「絞る」のって、自分ひとりでは大変なときもありますよね。最後の一つを決める前に、そもそも選択肢を絞るのを決められないということもあります。
そんなとき、ChatGPTは情報整理役として、頼もしい相棒になってくれます。

もちろん最終的な判断は自分自身。でも「一緒に考えてくれる存在」があるだけで、ずいぶん心が軽くなるものです。

判断に迷ったら、人に話してみるのもアリです

ChatGPTは情報を整理してくれたり、考えを言語化してくれる頼れる存在ですが、「これでいい」と納得して決めるところまでは、一緒には行けません。判断してくれたような回答をくれるときもありますが、それは、あなたの感情や状況などを反映してるとは言えません。

特に、気持ちが揺れていたり、迷いの根っこに「不安」や「価値観の葛藤」があるときは、やはり人に話すことで、自分の本音が見えてくることが多いです。

たとえばファイナンシャルプランナーとの対話では、

  • 数字だけでなく、気持ちまで整理された
  • 話すことで、自分の大事にしたいことがはっきりした

という感想をいただくことがあります。

情報と納得は、別のもの

今は便利な時代で、情報はいくらでも手に入ります。
でも、「納得できる判断」をするには、自分の考えを整理して、誰かと対話しながら深めていくプロセスがとても大切なんですよね。

だからこそ、選択に疲れたときや、ひとりでは決められないときは、「ちょっと話を聞いてほしい」と気軽に相談してみるのも、すごくいい方法だと思っています。

まとめ

迷うのは、ちゃんと考えている証拠です。
大事にしたいことがあるからこそ、すぐには決められないのだと思います。

家計やライフプランを考え、整理したいときは、自分ひとりで抱え込まなくても大丈夫です。ちょっと立ち止まって整理すること、誰かと一緒に考えてみることをお勧めします。

その「誰かと」というのは、もちろんFPです。

「決められない私」を責めるよりも、
「今の私に合う選び方」を見つけていけたらいいなと思っています。

誰かと話したいと思いましたら、いつでもお声掛けください。

Wrote this article この記事を書いた人

福田 智司

▶独立系ファイナンシャルプランナーとして、相談業務、セミナー講師などで活動しています。 ▶FBCラジオ ラジタス 第一木曜日 10:50~ 「FPふくちゃんのお金に関するエトセトラ」レギュラー出演中 福井で唯一?のラジオFPです ▶FPでIFAというポジションを活かした相談が得意 節約だけが家計見直しじゃない!を念頭に置いた相談を心掛けています。 ▶法人向けに企業型確定拠出年金の導入サポートを推進しております

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