福井の中小企業にこそ知ってほしい、企業型DC導入前の5つの視点

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企業型DCという言葉を聞くと、大企業向けの制度と感じるかもしれません。実際、多くの大企業で導入されています。
でも私は、むしろ福井の中小企業にこそ知ってほしい制度だと思っています。

人材確保、定着のこと
福利厚生のこと
退職金制度をどう考えるかということ
そして、なにより従業員の将来への備えをどう支えていくかということ

このような課題は、大企業よりもむしろ、地方の中小企業の経営者の方が身近に感じているのではないでしょうか。

企業型DCは、単なる退職金制度ではありません。
うまく活用すれば、従業員の資産形成を支える仕組みにもなりますし、会社としての姿勢を伝える制度にもなります。

ただ、「これ良いらしいよ」と聞いて、よく分からず導入してしまうと、あとから「思ってたんと違う」となりかねません。
だからこそ、導入前にいくつか整理しておきたい視点があります。

今回は、福井の中小企業が企業型DCを検討するときに、最初に考えておきたい5つの視点をお伝えします。

1.企業型DCは、福井の中小企業にも検討する価値あり

企業型DCというと、社員数の多い会社が導入するものと思われるかもしれません。
たしかに、そうしたイメージはあると思います。
日本語でいうと「企業型確定拠出年金」ですから、なにかスゴイ制度のような威圧感がありますよね。

そんな企業型DCですが、制度そのものは大企業だけのものではありません。
福井の中小企業でも会社の考え方や目的に合えば、十分に検討する価値があります。

特に今は、給与だけで会社の魅力を伝えるのが難しい時代です。
だからこそ、福利厚生や将来への備えという形で、従業員を支える仕組みを整える意味は大きくなっています。

企業型DCは、退職金制度や福利厚生を見直すきっかけにもなりますし、会社として「従業員の将来も大切に考えています」と伝える材料にもなります。

福井の中小企業だから無理、ではなく、
福井の中小企業だからこそ考える価値がある。
私はそのように考えています。むしろ、メリットが大きいとも考えています。

2.導入の目的を「節税」だけにしないことが大切です

企業型DCをネットで調べてみると、節税やコスト面の話が先に出てくることがあります。
たしかに、お金に関わる制度ですから、重要なポイントのひとつです。それは間違いありません。

でも、節税だけを入口にしてしまうと、制度の見え方が偏ってしまいます。

本当に大事なのは、
「何のために導入するのか」
を最初に整理しておくことです。

たとえば、

  • 退職金制度を見直したいのか。
  • 福利厚生を少しでも整えたいのか。
  • 採用や定着につながる仕組みを考えたいのか。
  • 従業員の老後資金づくりを応援したいのか。

目的が違えば、制度設計や制度の見せ方、導入後の運用も変わってきます。

ここが曖昧なままだと、従業員への説明もふわっとしてしまいます。
そんな感じだと、「会社が何のために入れた制度なのかよく分からない」という状態になりやすいんですね。
企業型DCの資料を渡されても「何を書いてあるのか理解できない」というのも聞いたことがあります。

制度を入れること自体が目的ではなく、
なぜ自社で導入するのか、どう活用する制度なのかを、しっかり従業員の皆さまに伝えることが重要です。
企業型DCを考えるうえで「目的」はとても大切なところだと思います。

3.福利厚生として、自社に本当に合う制度かを見ておきたいところです

企業型DCは、福利厚生の一つとして語られることが多い制度です。
それ自体は間違いではありません。

ただ、福利厚生として良さそうだから導入する、というだけでは少し足りないと思っています。

大切なのは、自社に合うかどうかです。

  • 従業員の年齢層はどうか。
  • 勤続年数は長いのか短いのか。
  • 今ある退職金制度との兼ね合いはどうか。
  • 経営者として、従業員にどんなメッセージを伝えたいのか。
  • 事業をこの先も続けていく中で、無理なく運用していける制度かどうか。

こうしたことによって、同じ企業型DCでも意味合いが変わってきます。

若い世代が多い会社であれば、資産形成の入口として前向きに受け止められるかもしれません。
でも、制度の説明が不十分だと、「よく分からない制度が増えた」という印象で終わってしまうこともあります。

また、企業型DCは一度入れて終わりの制度ではありません。
長く続けていく前提の制度だからこそ、今の会社に合うかだけでなく、将来的な経営体制の変化や事業の継続も含めて考えておきたいところです。

それともう一つ、福井の中小企業だからこそ考えておきたいことがあります。
それは、採用や人材の受け入れの場面で、福利厚生の見られ方が変わってきているということです。

地元採用だけでなく、UターンやIターン、都市部の会社で働いていた方が福井に戻ってくる流れもあります。
そうした人にとっては、給与だけでなく、「この会社は従業員の将来のことまで考えているか」が見られることもあります。

また、企業型DCは転職時にも資産を引き継いでいける制度です。
企業秦DCを知っている、活用してきた人にとっては、制度の有無が会社を見る一つの視点になるかもしれません。

企業型DCは派手な制度ではありません。
でも、会社の姿勢を伝える制度になると思います。
だからこそ、福利厚生として自社に合うかどうかを、丁寧に見ていきたいですね。

4.導入して終わりではなく、投資教育や説明の部分がむしろ大事です

企業型DCは、制度を入れたら終わり、ではありません。
むしろ、導入した後の方が大事だと私は思っています。導入はゴールではなくスタートです。

なぜかというと、従業員の中には、投資に慣れていない方も多いからです。
制度があっても、よく分からないままだと、結局そのままになってしまうことがあります。

「難しそう」
「よく分からないから触らない」
「会社が入れた制度だけど、正直ぴんときていない」

こうなってしまうと、せっかくの企業型DCも活かされにくくなります。従業員の多くは、デフォルト設定のままかもしれないし、もしかしたらログインできない状況かもしれません。

だからこそ、企業型DCは投資教育や金融教育とセットで考えることが大切です。
制度があること、活用する方法を伝えることがポイントです。
投資教育、金銭教育という教育といっても、専門用語で解説することではありません。

  • 制度の意味
  • 老後資金づくりの考え方
  • なぜこの制度があるのか
  • どう向き合えばいいのか
  • 定年まで勤務するとどうなるか

そうしたことを、従業員が安心して理解できるように伝えることです。

企業型DCを導入すること自体も大切ですが、
その後に「従業員がちゃんと使える制度になるかどうか」は、会社の説明やフォローにかなり左右されます。

「導入したら、あとは従業員にお任せ」というように軽く見ないことが、制度を活かすうえで大事だと思います。

5.制度そのものより、「誰と進めるか」も大切です

企業型DCを検討するとき、どうしても制度の仕組みや費用に目が向きやすくなります。
もちろん、それは大事です。

でも実際には、どの制度を選ぶかと同じくらい、誰と進めるかも大切です。

中小企業の経営者は、日々の業務にお忙しいと思います。判断することも多いです。
それだけに、企業型DCに時間をかけられるわけではありません。

だからこそ、企業型DCを提供する側が、単に制度を説明するだけではなく、

  • 自社の状況を一緒に整理してくれるか
  • 導入の目的を言葉にする手伝いをしてくれるか
  • 従業員向けの説明や投資教育まで対応できるか
  • 導入後も相談しやすいか

このあたりは、かなり大事な視点になります。
聞くところによると、導入した時の金融機関から、チラシのような案内文だけとか、解説動画のアドレスが届くとか、
頼りになるのかどうか分からない状況もあるようです。

企業型DCにはいくつかの考え方がありますし、会社ごとに合う形も違います。
これが正解だということもなく、自社にとって無理のない形を見つけていく制度だと思っています。

制度だけを見るのではなく、導入する際の相談から、従業員説明会、導入後の研修や勉強会など伴走してくれる相談先があるかどうかも含めて考えておきたいところです。

まとめ

企業型DCは、大企業だけの制度ではありません。
私は、福井の中小企業にこそ、前向きに知ってほしい制度だと思っています。

ただし、急いで導入を決める必要はありません。
まずは、自社に合う制度なのか。
何を目的に取り入れるのか。
福利厚生として機能するのか。
導入後の投資教育やフォローまで考えられるのか。

こうしたことを、一つずつ整理していくことが大切です。

退職金制度の見直し。
福利厚生の充実。
人材確保や定着への備え。
従業員の将来へのサポート。

このような課題を解決する手段として、企業型DCが自社に合う選択肢になることは十分にあります。

福井の中小企業だからこそ、自社らしく続けていける仕組みとして考えていけるといいなと思います。

企業型DCの導入や、従業員向けの投資教育・金融教育について整理したい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
制度の説明だけでなく、自社に合う考え方から一緒に整理していきます。

Wrote this article この記事を書いた人

福田 智司

▶独立系ファイナンシャルプランナーとして、相談業務、セミナー講師などで活動しています。 ▶FBCラジオ ラジタス 第一木曜日 10:50~ 「FPふくちゃんのお金に関するエトセトラ」レギュラー出演中 福井で唯一?のラジオFPです ▶FPでIFAというポジションを活かした相談が得意 節約だけが家計見直しじゃない!を念頭に置いた相談を心掛けています。 ▶法人向けに企業型確定拠出年金の導入サポートを推進しております

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